魔法講義
まだ世界観の説明が続く
浦人の読みはうらとです
「たのもー!」
扉を開けるとそこは異世界であった。ここも異世界だが、よりそれらしい異世界、つまりーー
「くっら!カタコンベかよ!」
「ちょっと!意味は分からないけど罵倒されてるよね私!?広いから暗いのはしょうがないじゃない?」
広いから暗い。それは当たり前だが、この孤児院の子供部屋一室がそんなに広いわけではない。
「マホさん、俺はあなたに魔法を教えてもらいにきた。しかしあなたの魔法はまさか日曜大工とは言いませんよね……?」
「にちょーだあいくが何かは知らないけどそんなチンケなものじゃないわよ!」
まあ確かにそれはそうだ。だって、日曜大工の域を超えている。木造が目立つ内装が石造りの堅牢な……迷路?……になっているのだから。
「私はマホ。土魔法を使うわ。あなたも孤児よね、よく見かけるわ。名前はなんていうの?」
「俺の名は浦人。君は赤ピンク毛だから火属性だと想像してた」
「名誉毀損も甚だしい想像ね!…はぁ、なぜテラキャで学ばないの?」
「ちょっと何言ってるか分からないから」
「どこが分からないのよ!冷やかしなら帰れ」
「いや、文字が分からなくて……」
「あ…それは可哀想な…ごめんなさいね、私勘違いしちゃって…」
「?どうしたんすか急に……」
こいつネタキャラではない?
「だって、この国で文字が読めない子供はほとんどいないもの。貧困がなく病も少ない。孤児だって少ないの。あなたは身なりが良かった、なのに文字が読めない、つまり貧困ではなく捨てられたのでしょう?……」
「あー……」
そう言えばそうだった、この国はガチで平和なんだった……面倒だなぁ
「いや支離滅裂すぎて何言ってるか分からないんだって」
「……っ!ふざけるのも大概にしなさいよ」
「はは、すまんすまん」
「水は乾き、渇きは火に、火は転じて炭となりーー」
ちょっと待て。こいつ相当なーー
「脆き石はしかし砕けず」
「厨二病だーーーー!?」
そう叫んだ瞬間、体が外側から何か硬いものに覆われていくのがわかった。
「私を怒らせるからいけないのよ!それで軽口を慎みなさい永遠に!」
「ーーーー」
「ちょっと、返事はないの!?」
「ーーーー」
「呆れた。もういいーーって、あ」
「ーーーー」
「あああああああ!?ごめんなさい、まって、待って!」
ーーーーバギィ!
「えっ」
「だーーーー!?あっ、え?」
「嘘でしょ、自力で?」
石化?を内側から破壊したみたいだな。確かに俺はこの国基準ならヒョロいしな……ここは、
「また何かやっちゃいました?」ドヤァ
「いや、ヒョロイのにすごいなってだけで別に」
えぇ……
「良かった、戻すの面倒だったから」
えぇ……
自力で脱出したんだから驚いて褒めろよ……
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「さっきはごめんなさいね」
「いや……あれは俺が悪かったんで……」
すまないけどまだ引いてます……
「ま、まあそうよね、煽らないでよね!この話は終わり!それで、魔法を教えて欲しいのね?」
「そうっすね、まず属性とかから基礎から教えて欲しいっすね」
「わかりました。属性……?えっと、魔法には基本的には2種類あって、物質的な効果の魔法と、それ以外の魔法があるの。私が使う土魔法は一つ目の魔法に分類されるわ。以上」
「えっ?それだけ?他のやつはないの?」
「?……ああ、私の土魔法は火魔法よりも複雑で、威力が高いけど、複雑だから難しいし若干消費魔力が多いの。結局の威力は火魔法と同じくらいなのよね……はぁ」
「いや、そうじゃなくてですね、人によって得意な属性とかあるのでは……」
「別に?みんな基本の魔法は半分くらい使えるはずよ。残り半分は個人個人での発展や派生だから、使えない人がいるかもしれないけど、いずれ大衆的になるはずだわ。」
「えー」
「基本的に人間が想像するすべてのことは再現可能よね。そこは大丈夫?」
「いや……もういいです、実践に移行したいんです……」
「意外と飲み込み早いじゃない♪というか知らなかったの?」
「いや一応の確認で……」
「そう、意外と慎重ね。でもこんなこと常識よ?
だって小さい頃から」
「あーもういいです、俺は田舎から来たもので」
「そうなの?まあそこらへんはいいわ。じゃあ実戦にしましょうか」
「ああ、よろしく頼むよ」
読んで下さっ(ry
次回、浦人、覚醒ーー
というか体が馴染む回。