カフェの焼きたてワッフル
東京に来て 食べられなくなった
本店が関西の スイーツ店
そこのカフェで食べられる 焼きたてワッフル
東京だと 販売店は有るけど
カフェ併設店が無い
関西では カフェ併設が当たり前のスイーツ店
東京では 食べられない 焼きたてワッフル
目の前で焼いてくれる店舗も有る
東京では 食べられない 焼きたてワッフル
ボウルに入った生地の状態では
匂いすら解らない
温めた機械の 蓋を開けると
まず 漂ってくるのは
鉄板に染みこんだ 古い油の臭い
そこに 新しい油を塗って
ボウルのから 液状の生地を流し込む
蓋を閉めるまでは まだ 油の臭い
生地に火が通るにつれて
玉子と ミルクの 優しい甘い香りが
鉄板の隙間から ゆっくり漏れて
焼き上がる頃には 甘い匂いに 心が躍る
機械を開けると
温かい湯気と一緒に 甘い ワッフルの匂い
ふわっと 広がって
油の臭いさえ 包み込んで消える
“それ”を きつね色 と名付けた人は
きつねを見たことが有るのか 疑うくらい
香ばしく焼かれた ワッフルは軽やかで
角の分だけ さっくり 焼かれた表面に
ホイップされたバター
華やかな香りの メイプルシロップ
店内の照明で 甘くキラキラに輝いて
“幸せ”以外の言葉では 言い表せない 幸せ
サクサクの 四角い溝に
まろやかな ホイップバターを詰めて
キラキラの 甘いメイプルシロップ
添えられた 甘酸っぱいフルーツと
ふわふわのホイップクリーム
アイスクリームの滑らかに
メイプルシロップの華やかさ
求めても 求めても
東京では 手に入らない 幸せの凸凹
焼きたての温かい幸せの凸凹
東京のどこで 食べられるかしら