女顔男子、街に入る
「さて…これからどうするかな?」
神がここはあのゲームに似て非なる世界だと言っていたな。
「ギルドはあるのかな?」
異世界定番のギルドに登録して冒険者になるのが手っ取り早いんだが。
「ハイト、空飛んで街を探してもらっていいか?」
「ガルゥ!」
翼を動かし一気に飛んだ。かなりの速度で飛んでいるスカイストライカーの特徴としては、翼が4枚あり前2枚と後ろ2枚で大きさが違っている。
また、尾と背にヒレのようなものがある。
頭部は、丸っこく空気抵抗を極力減らすような姿をしている。
そしてこのゲームのシステムなのか知らないがハイトに乗っていると風が気持ちいいだけで一向に強くならないのだ。
「そこは有難いな」
「ガルゥ!」
ハイトに降りるよう指示して門の前に降りると。
「うわぁぁぁぁ!ドラゴンだぁぁぁぁぁ!」
「とっ止まれ!動くな!」
「なっなんでこんなところに!」
「?」
「ガルゥ?」
あーこれパニックになってんのね、ドラゴンが来たらびびるよなぁ。
「あー、こいつ俺の従魔だから危険はないぞ」
「「「え……」」」
見事にハモった。警備兵らしき人達は唖然としている。
「そっそうなのか?」
「うん」
「そうか、この街にはどんなご用でお嬢さん」
お嬢さんって俺は男なんだがなぁ。
まぁいいか。
「その前に質問」
「なんだ?」
「この街にギルドはあるか?」
「あぁもちろんあるよ。その口ぶりからすると冒険者登録に来たのかな?」
「うん」
「そうか取り敢えずこの腕輪をはめるけどいいか?」
「ガルゥ!」
もちろんとばかりに喉を鳴らすハイトに腕輪をはめる。
「でっ街に入っていいのか?」
「あぁ大丈夫だ。行っていいぞ?」
身分とか気にしないのか?そんなことを考えながら街に入った。
〔領主の館にて〕
「ドラゴンを従えた少女が街に入った?そして驚きと恐怖で税金を貰いそこなっただと?」
「はい……申し訳ございません」
「あぁ仕方ないだろうしてどんなドラゴンだったのだ」
「見たことのないドラゴンで翼が4枚ありおそらくスピードタイプのドラゴンだと思われます」
そんなドラゴン見たことも聞いたこともないその少女なにものだ?
そんな不安を残しながら領主は仕事に戻った。