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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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2人の気持ち

今…龍弥は好きって言った…

感づいてはいたけど、実際に言われて頭の中が真っ白になっていた。

龍弥はわたしのことが好き…好き…好き…

「お、おい…真央、今のは勢いというかなんというか…」

慌てる龍弥を見て、少しずつ意識がしっかりとしてきた。

そっか…やっぱり龍弥はわたしのこと好きだったんだね。

一瞬、嬉しい気持ちがこみ上げてきたが、

その直後に怒りの感情がこみ上げてきてしまった。

「そんな告白の仕方ある?もっと普通に言えないの?ホント最低だよね。それに迷惑だって言ったのは、龍弥がわたしのことを好きだっていうのがまわりにバレバレだから!みんなに言われたんだよ、龍弥がわたしのこと好きだって。隠すのヘタすぎ!」

ガーっと言われ、龍弥も腹が立ってきた。

「そんなの知らねーよ、俺は普通にしてただけだ!いちいち詮索するほうが悪いだろ、俺のことなんて気にしなきゃいいのによ!こっちのほうが迷惑だし被害者だ!」

「あからさますぎて、みんな気になったんだよ!それを開き直って偉そうに!」

「開き直ってない、俺はもともとこういうスタンスだ」

言い合いながらも、龍弥は一つのことに気づいていた。

それは、好きだということに対しては、迷惑と思っていないことだ。

勢いで言ってしまったが、こうなった以上気持ちをちゃんと伝えるべきだ。

「真央」

「なに、まだ言い訳?」

突然真剣なまなざしになっていたので、緊張が走る。

一拍置いてから、龍弥は言ってきた。

「俺、真央のこと好きだよ」

今度はちゃんと真央の目を見て告白をしている。

心臓の鼓動が速くなっている。

どうしよう、ドキドキが収まらない…

なにか言わないと…

真央は声を振り絞った。

「ありがとう…龍弥…わたしも、多分龍弥のことが好きだと思う…まだハッキリしないけど…」

「うん、それだけで満足だよ。けど付き合おうとか、そういうのは考えなくていいから。ただ俺の気持ちを知っていてもらいたかっただけだから」

ちょっとキザっぽく言っているのが、龍弥らしくもあり、らしくもないと思った。

それでも、こういう風に言ってくれるのはありがたかった。

それは真央も同じ考えだからだ。

わたしも龍弥のこと好きだろうけど、付き合うとかまでは考えられない。

だから、今はこの気持ちだけで充分だ。

二人で微笑みあっていたら、人の気配がしたので振り返った。

「邪魔しちゃった?ごめんね」

「三上!」

「巴菜!いつからそこに…」

「たった今だよ、だから2人の話は全然聞いてない。盗み聞きは好きじゃないしね。でもね、2人がいい雰囲気だったのだけは見てわかるよ」

巴菜はそう言いながらニヤニヤしていた。

2人とも顔が真っ赤になっている。

「大丈夫、誰にも言わないよ。香蓮にもね」

巴菜はこういう約束は絶対に守るので、そこだけは安心できる。

それでも恥ずかしいことに変わりはない。

「じゃ、じゃあ俺は部屋に戻るから!」

逃げるように龍弥が走り出す。

「いいよ、わたしが戻るから」

「お前はきたばかりだろ、俺が戻るからいいよ!じゃあな」

振り向きざまに、龍弥は手を振ってから屋上を出ていき、真央と巴菜だけになった。

「ホントごめんね、邪魔しちゃって。まさか真央がいると思わなかったから」

「龍弥がいるの知ってたの?」

「昨日もいたからね。けど勘違いしないでね。わたしはここで風を当たりながら夜空を見るのが気に入ったからきたの」

「そっか…」

ここまで見られていて、巴菜に話さないなんてことはできない。

巴菜は大事な親友だ。

「龍弥にね…告白された」

「そんな雰囲気だったね。OKした?」

真央はゆっくりと横に首を振った。

「今は気持ちだけで充分。だからすぐに付き合おうとかじゃないんだけどね」

やっぱり付き合いはしないんだ。

真央はともかく、木谷はなんで付き合うのを嫌がるんだろう。

両想いならすぐ付き合うと思うんだけどな…

まあ考えてもわからないし、木谷に聞いても答えないから

今は2人が両想いってだけで良しとしておこう。

「でもこれから面倒くさそう…またみんなに聞かれるんだろうな。龍弥のことどう思ってる?って」

「好きって宣言しちゃえば?事実なんだし」

「そんなの無理!付き合ってるわけでもないし、余計ややこしくなるよ」

それを聞いて巴菜は笑った。

「確かにね、お風呂のときと同じように言えばいいんじゃない?嫌いじゃない、どっちかというと好き、くらいにとどめておいてさ。だって実際に今はそれしか言えないんだから。それで告白されたことを言わなきゃ大丈夫だよ」

「そだね…そうする!」

別に好きだということを恥じる必要はない。

かといって、宣言する必要もない。

これが今の真央にとってはベストだ。

けど、一つだけ思うことがあった。

「香蓮には話すよ。香蓮には隠し事したくないから」

「そっか、話すんだ…せっかくわたししか知らないと思ったんだけどな」

「えっ…」

「わたししか知らない真央の秘密が一つくらいあってもいいかなって…なんてね!うん、香蓮には話してあげな。真央の大事な親友なんだから」

一瞬だけ巴菜は残念そうな顔をしたのを真央は見逃さなかった。

「巴菜も大事な親友だよ、だから巴菜がわたしのことで知ってることは香蓮も知ってるし、香蓮が知ってることは巴菜も知ってる。でしょ?」

ややあってから、巴菜はニコッとして「うん」と答えてくれた。

「それにしても夜空が本当にきれいだね」

「ねー、東京じゃこんな景色見れないよ」

2人で夜空を見上げていたら、一筋の光が流れていた。

「あ、流れ星!真央と木谷がいつか付き合いますように」

「ちょっと巴菜…」

「いいじゃん、本当にそうなってほしいんだから」

「もう…」と答えながらも、少し嬉しそうな顔をしていた。

けど本当に…いつか付き合うときがくるのかな…

ちょっとドキドキしながら、もう一度夜空を見上げていた。


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