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彗星に願いをこめて  作者: 姫
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龍弥の本音

「木谷…真央のこと好きでしょ?」

「ああ…好きだよ」

予想通り素直に答えた。

だったら巴菜の取る行動は一つしかない。

「告白しなよ、この修学旅行で。チャンスだよ」

龍弥はすぐには答えず、遠くを見つめながらポツリと話し始めた。

「最初はさ、女なった真央を俺はなかなか受け入れられなかった。クラスで一番の親友だったからな。それでも友達として今までと同じように接しようと思っていたのに、あいつはどんどん中身まで女になっていってよ、男の頃の真央の面影を見ることができなくなったんだよ。きっと三上や大谷と常に一緒にいるから、中身も女になったんだろうな」

「わたしたちのせいだっていうの?」

「いや、言い方が悪かったな。それで結果的によかったと思う。女になったなら、中身も女になったほうが楽しいだろうからな。まあ夏休みにバッタリあったとき、真央が化粧してたのには驚いたけど」

そういいながら龍弥は苦笑いしていた。

「でもメイクした真央、かわいかったでしょ?」

「そうだな…俺、実は女が苦手で女と話すのが苦手なんだよ」

「知ってる。見てればわかるから」

あっさり言われてしまったので、軽く舌打ちをする。

「それで、真央と話すのも苦手になちまってよ…けどアイツは今まで通り俺に話しかけてくるんだ。いや、今まで通りじゃないな、女子の真央として。いつしかそんな真央が俺にはかわいく見えてしかたなくなって…本当に好きだって気づいたのは、あの事件のときだよ。泣いて俺に抱きついてきた真央は…華奢で小柄で…震えていた。絶対に守ってやらなきゃって思ったとき、俺は真央のことが好きなんだなってわかったんだよ」

「そこまで自分の気持ちがわかってるなら告白しなよ」

また龍弥が黙ってしまった。

なんでそこまで告白を嫌がるんだろう?

「振られたらどうしようって考えてるの?それとも今の関係が崩れるのが怖いの?」

それにも龍弥は答えない。

ただ、なにか躊躇っているように見えた。

言えないなにかがあるっていうこと?

こうなると、おそらくもう何も答えないだろう。

「部屋に戻るよ。じゃあね」

巴菜は背を向けて屋上から出ていった。

告白すればいいのに…

だって真央も間違いなく木谷のこと…

あー、真央の本心を聞きたい!

龍弥のことは後まわしにして、真央のことだけを考えて、

巴菜は微笑みながら部屋に戻っていった。

「やっと帰ってきた。遅いよ」

香蓮たちが中心に集まり、お菓子を食べながら会話をしていた。

これだけで、なんの話をしていたかわかってしまう。

「今ね、香蓮の彼氏の話を聞いてたの」

予想通り恋バナだ。

もちろん巴菜も大好きなので加わったが、本当は香蓮の彼氏、佑太の話ではなく、

真央と龍弥の話をしたい。

それはおそらく香蓮も同じだと思う。

けど、創の件があってから真央にはそういう話を聞けない雰囲気になっているので

今は我慢だ。

そのうち誰か聞いてくれるだろう…

「そういえばさ…」

きた!凜ナイス!!

「巴菜は好きな人とか全然ないの?」

「へ、わたし??」

真央じゃなくて?

それに真央が便乗してくる。

「そうだよ、巴菜っていつも年上しか興味ないって言ってはぐらかすよね」

「別にはぐらかしてなんてないよ。本当に年上しか興味ないんだもん。けどその年上との出会いがないから、なにもないだけ」

それよりも知りたいのは真央のほうなんだよ!

ところが、その真央のほうには振られず、このあとどういう年上がタイプなのかなど、

根掘り葉掘り聞かれてしまい、気が付けば12時近くになっていたので

寝ることになってしまった。

うーん…なんかモヤモヤする。

何度も寝返りを打っていると、香蓮が「寝られないの?」と話しかけてきた。

「起きてたんだ」

「まだ眠くなくてね。巴菜もでしょ?」

「うん。香蓮さ…明日の班行動どうするの?」

「どうって…美ら海行くよ」

「そうじゃなくて…」

ここまで言えば香蓮もわかってくれるだろう。

絶対に香蓮も気づいているはずだから。

「ああ、なるほどね。真央寝てるよね?」

香蓮は布団から起き上がり、真央の顔を覗き込む。

スヤスヤと寝息を立てているので大丈夫だと思った。

「なんとか2人きりになるチャンスだけは作る予定だよ。渡辺ともそういう話したし」

「さすが香蓮」

さて、どうなるかな。

けど、あの木谷のなにも答えなかったことが気になる。

やっぱり振られたらどうしようって思ってるのかな?

そんなことを考えていたら、余計に寝付けなくなってしまった巴菜だった。


今日は班行動の日。

真央と香蓮がロビーで待っていると、慌ただしく龍弥と健吾がやってきた。

「遅いよ。もう出発時間だよ」

「わりぃ、龍弥が腹痛いとか言い出してさ」

「そうなの?大丈夫??」

真央が心配そうな顔で聞いてくる。

「もう大丈夫。心配かけてすまない」

お、出だしからいい雰囲気。

香蓮が健吾の顔を見ると、その健吾も香蓮を見てきてニヤっとしていた。

楽しい一日になりそうだ!

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