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ドンエプール転回逆

作者: てこ/ひかり
掲載日:2016/05/31

「…終わりだ」


 見上げた仮面の男が銃口を向け、不敵に笑った。


 猫の子一匹いない路地裏に、二人の荒い息遣いだけが木霊する。


 追いかけっこは、どうやらここまでだ。


「くそっ…!」


 先ほどの発砲で撃ち抜かれ、血だらけになった両手両足はピクリとも動かない。


 上手くいってたはずなのに…どうしてこうなった…!私は愕然とした。


 男が仮面の奥で目を細めた。


「最後に…何か言っておくことはあるか?」


 最早虫の息になった私に、仮面は反撃の術などないと確信しているのだろう。


 地面にひれ伏したまま、それでも私は藁にもすがる思いで宿敵を睨みつけた。


「フフフ…ハハハハ!散々嫌がらせしてくれたな…だが、お前はここまでだ!」


 だけど男の背後に浮かぶ満天の空は、まるで私の運命をあざ笑うかのように光り輝くだけだった。


「…『逆回転』!!」

「何だと…?」


 何も起こらないかもしれない。だけど、このまま死を待つくらいなら。


私は最後の力を振り絞って叫んだ。

 

「【時間】が…まっすぐ進むだけだと思ったら、大間違いだぞ…っ!」

「まさか…!?貴様も…俺と同じ『能力』を!?」

「お前が、教えてくれたんだ…!」


 激しい閃光と共に、路地裏に爆音が鳴り響いた。


 驚いた男が、慌てて発砲してくる。だが、もう遅かった。


 「馬鹿な!?」

 「くらえ!!『逆回転』!!」


 『逆回転』。この能力は…【物事】を逆転させる。

 【時間】も、【順序】も。【男】も、【私】も。

 そう、物語の【終わり】と【始まり】も、何もかも。逆になる。


「貴様も…逆になるとでもいうのか…?」

「このままで済むと思うなよ!」


 目が慣れると、地面に先ほどの男が青ざめたまま喚いていた。


 片隅に落ちていた仮面を手に取ると、私は不敵な笑みを浮かべそれを被った。


「さあ…物語の【始まり】だ」  


片隅に落ちていた仮面を手に取ると、私は不敵な笑みを浮かべそれを被った。

目が慣れると、地面に先ほどの男が青ざめたまま喚いていた。


「このままで済むと思うなよ!」

「貴様も…逆になるとでもいうのか…?」


逆になる。


そう、 物語の【終わり】と【始まり】も、何もかも。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだか不思議な感覚に落ちました。 てこ様の世界観にドキドキしました! 私はまだまだ未熟なので、参考にしていきたいと思います。
[一言] こういった遊び心本当に大好きです。 多分三日に一回くらい見に来ます(^^)/
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