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1話
西條学園は、ごく普通の学校で偏差値もそれほど高くない共学校だ。
その学園に俺、坂本圭吾は2人の幼馴染と共に入学した。
「おい夏鈴、遅ぇよ!いつまで鏡見てんだよ!」
喧嘩口調でそう言うのは、風見春。俺の幼馴染の1人だ。
見た目中身共に不良で、喧嘩も強い。
「うっさいわね!女の子は見た目が命なのよ!」
そう強気で返すのは、結城夏鈴。もう一人の幼馴染だ。
いわゆる美少女でモテるが、気が強すぎるせいで苦手意識を持たれることが多い。
軽く紹介が終わったところで今の状況を説明しよう。
入学してから1週間程経ち、学校に慣れたころに起こる学生ならではの事件に直面している。
簡単に言うと、遅刻しそうってことだ。
「言い合ってる場合じゃないだろ、急げ。お前らのせいで俺まで遅れそうだ。」
1時間も余裕を持って起こしてるのになんでこんなにギリギリになるんだよ。
「すまん、でも今回は夏鈴のせいだかんな!」
「はぁ?春だって遅かったじゃない!」
いつまで喧嘩してるんだ、こいつらは・・・
「いい加減にしろ、置いてくぞ。」