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きっと10年後の私

作者: ひより

寒い日が続いてますね。

包み込まれるその腕の中は、とても匂いが良くて

気持ちが良くて居心地も良くて

安心して、


怒った顔は怖いけど、笑ってる顔は世界中の誰よりも素敵だと私は思っていたよ

たくさん辛い思いをして、この上なく過酷な日々を送ってるはずのあなたが

何故そんな風に笑えるのか、私には不思議で堪らなかったんだ


そんなあなたを心から尊敬していた


そんな気持ちとは裏腹に

私はあなたの言う事を何一つとして聞かなかったね

迷惑をかけて、心配もかけて、苦労をたくさんかけたね


未熟な私は、少なくとも前よりかは

自分の情けに気付けているさ


失ってから気付いてしまう事が、この上なく辛い事だと

身に染みて感じてるさ


今何処で何をしているの、あの素敵な笑顔を

あなたは一日に何回作っているのかな

もう一度だけ私の事を、その笑顔で出迎えてはくれないか

迎えに来てはくれないだろうか


あなたの子供に生まれて良かったと

心底思っているさ

この気持ちが、どうすれば伝わるのか

自分の事ばかりに目を向けていた私が

いつかはあなたの目を真っ直ぐと捕らえ、

この気持ちを伝える事の出来る日がいつか来てくれるだろうか


あなたは私に色んな事を教えてくれたさ

私がこんなにも生を全う出来ているのは

全てあなたのおかげで、

あなたがいなければ、今の私は居ない


今の私も昔の私も、大嫌いでしょうがないけれど

あなたの血がこの体に流れているのだと思うと

私は自分を好きであらなければいけないね


あなたの事を考えて毎日を送るのは辛い

とても辛いんだ

だけどこの辛さは、自分が招いた事だと知っているさ


そしてあなたの辛さも、私が作り上げたものだ

気付けばいつもそうだったね

一番幸せになってほしいはずのあなたに

私は悲しみしか与えていなかったようだ


こんな私を今でも愛してくれているかな

想ってくれているかな


そして何より

許してくれているのだろうか


私達を引き離してしまったこの世界で

私はいつか、あなたを無くして幸せになれるのだろうか


出来る事ならば、

私はあなたと一緒に幸せを見たかった




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