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この星空の下で  作者: sinson
第一章 すべての始まり
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地獄へ

…地獄へ…


捕まってからもう1日がたった。

もう朝になったのだろう、外から鳥の鳴き声が聞こえてきた。

最悪だ、住民と接触する前にしっかり観察するべきだったよ。

まさかエルフとは、ファンタジーだな~~

僕が捕まった際、槍は取られたが、何故かリュックサックその他諸々は、取られてはなかった。

その代わりなのか、食事は一切出てこない。

石造りでコケが生えてる牢屋の正面には、僕を発見した門番、アベルがたっていた。

寝ている間に担当の人が変わったのだろう。

僕は暇だったので話しかけた。

「アベルさん、ですよね」

「話しかけるな」

アベルは突き放すように言う。

「ここはどこですか?」

「牢屋だ」

「そうではなくて、ここの町はなんていう町ですか?」

「なんだ、知らないのか」

アベルは少し驚いて錆びた鉄格子の前にやってきた。

「ここは我らがエルフの王国、カリーヌ王国最北端最大の町アルバン要塞都市だ。知らないとは言わせないぞ」

アベルは少し自慢げに話す。

「そうなんですか」

「なんだなんだ、最強要塞都市アルバンだと知って落ち込んだか。そうだろう、そうだろう、聖アドリアーナ皇国の侵攻を幾度となく破ってるからなーー」

「はあ」

「驚いたか、まいったか、はっはっは」

僕は思った、この人調子に乗ったら色々教えてくれそうだ。

これは願ってもいないチャンス!

「カトリーヌ王国ってそんなに強いんですか?」

「なんだと! 強いに決まってるじゃないか。世界最大の人族国家、ベルント帝国との戦いでも勝利したからな、人族なんて目じゃねー」

僕はわざと国名間違えたのに全く気付いていない、大丈夫かこの人、いやエルフ。

「どうだ人族至上主義野郎、まいったか」

うん? 聞き捨てならない単語が出たな。

「人族至上主義ってなんですか」

「読んで字のごとく、人族最強とか考えてることさ、人族は基本そう考えてるだろ、最強はエルフに決まってるのに……ブツブツ」

うわーそんなことあるのか、というかこのエルフ、エルフ至上主義者ぽいな、気をつけよう。


そのエルフは、何かに気づいたようだ。

そして不思議そうに聞いてくる。

「そういえばお前、なぜビラリーニョ語喋れるんだ?」

「へ?」

そういえば、なんで言葉が通じてるのだろう?

「へ? じゃねー、エルフの公用語、ビラリーニョ語をなんで流暢に喋れるんだ」

このエルフ、アベルは口調をキツくしながら聞いてきた。

どうしよう。

「あえっと、知り合いにエルフの人がいまして……」

「そうかそうか……、な訳ないでしょ! 隊長がエルフかどうか気づかなかったくせに」

うっ、会話を聞かれてたか、まずったな……

「やっぱお前、皇国のスパイか! ちょうど国境方面から現れたしな」

やばいやばい、これはやばい。


そこに隊長がやってきた。

「おい、アベル! 捕虜と話すな!」

「はい隊長! あとこいつ皇国のスパイっぽいですよ」

「ほう、スパイとは、いい度胸じゃないか」

隊長が獲物を見つけた狼みたいに笑う。

「死ぬまでにいろいろと、喋ってもらおうか」

さっきより状況が悪化した、死ぬまで拷問地獄だろう。

おわった……

時間設定が少しずれてしまったので変更します。

話の大筋は変わっていません。

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