まだ見ぬ世界
…まだ見ぬ世界…
僕は遭難していまった。
それも多分、部活動として登り始めた山とは全く違うとこだろう。
とりあえず、何が起きたか全く分からないが、ここは日本のどこかに違いない。
というか、そう思ってないとどうにもできない。
日本は山が多いしね、うん。
となれば、何はともあれこの山を下っていけば、人里がある可能性が高い。
先輩たちが救助を頼んでいても、ここには来ないだろうし。
そうと決まれば行動するのみ。
僕は、重い腰とリュックサックを持ち上げて歩き出した。
~数時間後~
坂を下っている途中、水のせせらぎが聞こえてきた。
僕は音がする方に向かって走り出す。
「川だ!」
よし!
僕は心のなかでガッツポースをとった。
これで水も確保できた、それにこの川を下って行けば高確率で人里がある!
そして僕は川沿いに山を下っていった。
~夕方~
僕はまだ、人里を見つけていない。
暗くなる前にテントを立てることにした。
ブルーシートとロープ、適当な木で作る簡易なテントだ。
持ってきたライターを使い、焚き火をする。
寒さをしのぐためと、水の殺菌、あと調理に使うためだ。
僕は、川に魚がいたので、槍を作り捕まえた。
鮎かな?
夕食は焼き魚と持ってきたおにぎりだ。
「外で食べると美味しいな~~」
そんなことを言いつつ夕食を食べた。
「そうだ、日記をつけよう」
僕は、そう言いながら今日起こった不可解な現象と、持ち物の内容を記す。
もう太陽が沈んだようだ。
僕は夜空を見上げた。
大きな月と、満天の星が見える。
「空気がきれいだと、夜空もきれいだな~」
僕は感動しつつ、空を見上げていた。
「あれ?」
少し違和感を感じた。
そして……
「春の星座がない……」
春に見えるはずのこぐま座もしし座も乙女座すらないのである。
「日本じゃないのか…いやまて、知ってる星座があれば、場所がある程度わかるはず」
僕は必死に記憶にある、星座を探した。
でもなかった、この夜空には、知っている星座がないのである。
「はっはっは、まさかな……」
多分、ここはもう僕の知っている惑星ではないのだろう。
「もう、寝よ」
現実からのがれるように、僕は眠りについた。




