暗躍
…暗躍…
ドン!
「アデーヌ、貴様どうゆうことだ!」
ちっ、気づいたか
私の手でどうにかしようと、思っていたのだが……
人族とはいえ、さすがベルント帝国の貴族といったところか。
私は大使の頭を見ながら言った。
「フレーゲ大使、まさかレリア姫が人族を連れ帰ってくるとは、私も驚きを隠せません」
どこから連れてきたんだ……北部には人族はいないはずだが……。
「黙れ! どうせお前の息のかかったものだろう。それに頭を見るな!」
「フレーゲ大使、私はどちらもしていません」
私はわざわざ疑われることをしない。
あの小僧……セドリック王子に決まってる。
頭を見るなと言われても、髪が一本だけゆらゆら揺れていると、視線がいってしまうのは仕方ない。
大使は唸りながら言った。
「わかった……だがどうするつもりだ」
「私に考えがあります」
「ほう、言ってみろ」
「連れてこられた人族に学があるとは思えません」
まあ人族だけでなく、学があるのは一部の選ばれた者のみだが。
「そうだな、それでどうするのだ」
「あの領地を管理させるのです」
あの領地、2年前の戦で潰れた旧ロッシュ領。
「ああ、あの荒れ果てたとこか」
今は普通の者は誰も住んでいない。
何かから逃れた者、罪を犯した者、そういった者が集まっている。
カリーヌ王国では珍しく、エルフ以外の者も住んでいるとこだ。
「それで、どうするんだ」
「学のない者が管理すれば、何が起こるのかわかるでしょう……それもあの領地です」
「なるほど、領地ぐらい管理ができない者には、姫の相手など務まらないと……」
「そのとうりです フレーゲ大使」
「だが、姫が手伝ったらどうする」
仕方がない面倒だが……
「私の手の者に見張らせます」
「うむ……わかった、アデーヌ任せたぞ。 次はないからな」
「ありがとうございます」
くそ、あの小僧さえいなければ……。
ストックが尽きてしまいました。
これからの投稿が遅れることがあると思います。




