身の危険
…身の危険…
「う~~ん」
私はまぶたの隙間から差し込んでくる光で目が覚めた。
もう、朝のようだ。
昨夜は遅くまで話し込んでいたので、とても眠たい。
「……むにゃ、むにゃ」
私の隣では、ソレーヌがぐっすり寝ているようだ。
面白い寝顔だ。
その隣にいるはずのリリアーヌの姿は、なかった。
テントの外からパチパチと何かが燃える音がする。
多分、火でも起こしてるのだろう。
私はテントから出た。
思った通り、テントの近くでリリアーヌが火に木をくべていた。
そちらに近づいていくと、リリアーヌが気づき話しかけてきた。
「レリア姫、おはようございます」
「リリ、おはよう、スズキはもう起きてる?」
私はリリアーヌにそう尋ねた。
「今、薪を拾いに行かせいています。もうそろそろ帰ってくるかと……。スズキに何か用事でもあるのですか」
「あるわ、スズキの持っている酔いを抑える薬を分けてもらおうと思ったのよ」
リリアーヌは空の鍋を持ち上げながら言った。
「そんなものがあるのですか、私も頼んでみようかな。とりあえずレリア姫、私は水を汲みに行ってきます」
そう言うと、リリアーヌは鍋を持ちながら、川に向かって歩き出した。
やはり、ここら辺の明け方はとても寒いわね。
私はそう思いながら、焚き火に近づいた。
カーン、カラカラ……
急に大きな音が聞こえた。
驚きすぎて、両手で耳を塞いでしまった。
な、なんだろう、多分鍋を落とした音だよね……
「リ、リリー?」
私はそう言いながら恐る恐る、音がしたところに向かった。




