新たなる謎
…新たなる謎…
「いいですよ」
スズキはそう言うと私に酔い止めを、そのキラキラした板ごと渡してきた。
「すごい……」
私は思わず言ってしまった。
だってその板は、薄くて軽いのにもかかわらず、金属のような光沢があり、表面には薄い透明な膜が粒状のものを覆っているのだ。
「ああ、薬の取り出し方はこうだよ、かして」
スズキはそう言うと、その板の出っ張った膜を押し、中に入っていた粒状のものを取り出した。
これが薬なの? と私は不思議に思った。
一般的に薬といえば変な色の液体か、苦い粉状のものだろう。
「エルフには効くのかな? まあいいや」
スズキはそう言いながら、板が入っていた箱に薬を入れた。
とても小さな箱だ、よく分からない文字が書いてある。
「これって、金属でできてるのですか?」
ソレーヌも不思議そうに渡された板を見ながら、スズキに聞いている。
「そうだよ、アルミでできているんだ」
アルミとはなんだろう、聞いたことがない金属だ……。
それにしても金属をこんなに薄くするなんて、驚きだ。
「スズキ、もしかしてこれの作り方わかる?」
恐る恐る私は聞いた、するとスズキは苦笑いしながら答える。
「わかるけど……さすがに作れないと思う」
スズキは知ってると言った、これほどの金属加工、おそらくドワーフでも知らない。
それにコレは作れないとも言った。
ということは、別のものなら作れるのだろうか……。
本当に何者だろう。
まさかこの大陸以外から来たのだろうか、私はとんでもない人族を拾ってしまったようだ。




