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I'm here for you  作者: 君影しのぶ
9/10

4 探知機能付き

「怖ぇな……お前の親族どーなってんの?」

 帝王サマに同感。

 つまらなそうに携帯をいじりながら現れた斎城会計は、宇宙人の雄叫びに反応しにっこり笑って手を振ることで周囲をウットリさせ……次の瞬間にさっと見渡し……即見つけられるクラスメイト斎城。

 なにこの超能力染みた、斎城発見レーダー。

「アイツ、俺のクラスメイトに全員チェック入れてんのかも……」

 それはすごい記憶力だね。さすが斎城家のお坊ちゃん……いかん、ちょっと現実逃避したくなったぜ。

 斎城の言うとおり、それなら、それなら発見できるのはわかる、わかるけど、怖ぇぇよ。ストーカー?

 それでも、いつものごとく一瞬の出来事だったので、宇宙人の気を引くことはなく、一安心。

「しかし、なんでアイツまで宇宙人にいかれてんだ?」

 そう、現在、なぜかあの宇宙人に心惹かれる学内有力者が多数……その筆頭、生徒会長なんて初対面でキスをかましたらしい。マジカヨ。

 頭の中身は宇宙人だが、外見は……超美形なんだって言えたらまだ納得しようもあるけど、それほどでもない。そうだな、上の下ぐらいかな。

 おい、なんでなんだよ。なんでそれがそこまでいいんだよ。

 俺の疑問は、大半の生徒の疑問であり、当然のことながら彼らには親衛隊なるものがいるわけで、そいつらが疑問程度ですむわけがない。

「あー……」

「お前、アイツになんか言っただろ」

「んー……」

「つーか、アイツのアレはお前の所為だろ」

「それはどーだろー」

「なに言った」

「あんまり話しかけないで欲しいなーみたいな?」

「へぇ……正確に言ってみろ」

「校内では接触禁止。見るな、触るな、話しかけるな。俺の今の生活をぶち壊すような真似するんだったら、それなりの覚悟しろ?」

「……」

 斎城さん……他人の俺らから見ても、斎城会計はめちゃくちゃアナタを好きっぽいんですが……。

「やっべっ。今一瞬、アイツに同情しちまったぜ」

「ふつーに過ごしたいから、こっち来たようなもんなのに、なんで邪魔されなきゃなんないわけ?」

「いや、そこは俺の為に来たって行っておけよ」

 ぇっ? そういう関係?

「お前の為に来たとして、アイツを遠ざけなければならない理由はなんだよ」

「アイツが俺を目の敵にするから?」

「なるほど」

「納得しなくていいから」

 斎城と鈴木の会話に割り入ったのは紫藤。

 止めなかったら、ずっと続く感じだったしな。俺的には聞きたかったんだけども。

「てか、月ちゃん。あの子めちゃくちゃ月ちゃん好きじゃね? そんなこと言ったらかわいそぉ」

 そうそう! 俺もそう思うよ、赤石! あんまりかわいそうと思ってるように聞こえないけど!

「アイツが追っかけてくるから悪いんだろ」

「……月、あの子嫌いなの?」

 心配そうな立花君にフォローしろ、斎城。

「いや? 嫌いじゃないけど? アイツ俺にべったりだからなぁ。ほら、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすって言うし?」

 全くフォローになってねぇ。

「いきなり過ぎだろ、明らかに納得してねぇじゃん、アイツ」

 つーか、この瞬間にも斎城会計の意識はこちらに張り巡らされているっぽいのが俺は怖い。

「じゃさ、要は俺の周りにアレがいてもOKなワケ?」

「かまわんぞ。邪魔だったら蹴散らしゃーいいだけのことだろーが」

「……それ、かまわなくね?」

「薄々わかってんだろ? 春来。そんでお前らも。アイツ、相当ウザいぞ」

「要、毛嫌いされてるもんね」

「アイツはお前の傍に近づくヤツすべて毛嫌いするだろうが」

「そうとも言う」

「そうとしか言わねー」

「了解ぃ。今の状況が最上であると納得した」

 赤石と同じく、俺もひとまず納得した。

 で、キミたちの関係はいったいどうなってるんだ? なんてこんなところで聞くわけにもいかず……中高で入ってきたヤツはわかってないのが多いけど、幼稚舎・小等部からの連中は当然この学校の本来の権力者が誰かって知っているわけでこっそり注視している……黙って注目するしかない俺達モブを他所に会話は続く。

 とりあえず、事前に斎城が言い聞かせ(?)ていないと、学年違いにもかかわらず、ぴったり隣にいかねないことは理解した。

 ついでに、俺達が傍にいることも許容できない心の狭さの持ち主だってことも。

 一般席から一段上の役員席に優雅に腰掛けている、あの王子様がねぇ。

 しかし、隠すことなく鋭い視線を定期的に送ってくる現状、納得する以外ない。


「そろそろ抜け出してもいいじゃない? アレには察知されるだろうけど?」

 紫藤が冷静に呟いた。

「もうちょっと待て、アイツ等に飯が来てからにする」

 そりゃカリスマ役員達も人の子、育ち盛りの高校生。魔王サマの読みは当たり、俺達は無事撤収に成功したのであった。



 まぁそんな感じの問題児が今目の前で飛び跳ねている猿である。

 誰だよ、歓迎会の実行委員は各クラスの委員長に任せるとか決めた奴。

 幸いにも俺は、役員どもや赤石や紫藤のような超美形って訳じゃないから興味を引かないようだが。

 奴の隣で身を縮こまらせているチワワどもがいかに卑劣で野蛮かを力説しているのをなぜ俺が聞かねばならない?

 だいたい、そりゃお前に全部返る話だろと思う。

 さっさと風紀が引き取りにくりゃいいのに。

 っても、風紀委員長もコイツにイかれているから、あんま役に立たん集団になってるけどな、アイツ等。

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