5/28
征服した世界が、いきなり請求書を寄こしてきた件
まさか支払いが来るとは……。
世界征服から、3日後。
ネメシス連合・中央会議室。
第2代首領クロノ・ヴァイスは、人生で初めて“首領としての朝”を迎えていた。
目の前には山のような書類。
「これは? 何ですか」
「各国からの“請求書”です」
秘書怪人《帳簿の魔女カリグラ》が淡々と答える。
「請求書?」
「はい。戦闘中に破壊された橋梁、発電所、衛星、港湾施設などの復旧費用です」
クロノは書類をめくる。
ゼロが多い。
とにかく多い。
「……桁が読めない」
「13桁です」
「……我々、勝ったんですよね?」
「はい。完全勝利です」
「なぜ勝者が払うのでしょうか?」
カリグラはにっこり微笑む。
「“世界を所有する者が、世界を維持する義務を負う”――これは基本です」
クロノは天井を見上げた。
ヒーローと戦っているときは、そこまで考えていなかった。
勝つことだけを考えていればよかった。
これからは違うのだ。自分で言ったことではあるが、改めてその重みを実感していた。
ご意見、ご感想、ブックマーク登録、いいねなど頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。




