16/28
ホワイト化計画
悪の組織的就業規則が発表されます。
クロノが読み上げる。
「第1条。残業は月20時間以内を原則とする」
怪人たちがざわめく。ヒーローと戦っていたときには、残業という概念すらなかったのだから当然の反応である。
「第2条。パワーハラスメント、物理的威圧、無許可溶解は禁止」
マグマリオンが小さく手を挙げる。
「無許可溶解とは」
「会議室の机を溶かす行為です」
「一度だけだ……」
「一度でもダメです」
クロノは淡々と進める。
「第3条。怪人・人間を問わず、昇進は評価制度による」
アシュレイが、資料をめくりながら口を開く。
「評価指標は?」
声は穏やか。
視線は鋭い。
クロノが答える。
「成果、協調性、改善提案数。戦闘能力は加点要素に留めます」
アシュレイの唇が、わずかに動く。
(戦闘偏重の時代は終わる……か)
だが心の奥では別の声。
(評価制度は操作できる)
ご意見、ご感想、ブックマーク登録、いいねなど頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。




