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厄介な首領
クロノ、いたって冷静に判断します
会議終了後。
廊下でアシュレイが立ち止まる。
「面と向かってあなたを糾弾した私をなぜ排除しないのですか? 首領の権限をもってすれば簡単なはずだ」
クロノは答える。
「確かに排除は簡単です。しかしあなたは優秀だ」
「情けですか」
「戦力の無駄遣いはしません」
アシュレイは小さく笑う。
「あなたは、ヒーローより厄介だ」
そしてアシュレイの声が低くなる。
「逃げ道がない」
深夜。
クロノの机に新たな報告。
『怪人労組、正式登録完了』
その下に、小さな追記。
『人間市民側でも“悪の組織政権監視団体”が発足』
クロノは目を閉じる。
(内も外も、組織化の時代か)
眼鏡を押し上げる。
「……広報予算、増やしましょう」
世界征服は終わった。
だが。
人心は、まだ征服できていない。
そして、灰はまだ熱を持っている。
その言葉だけ残して去る。
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