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世界征服よりも世界運営のほうが大変だとは思わなかった  作者: ももらら
第2章 内部での戦い

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厄介な首領

クロノ、いたって冷静に判断します

 会議終了後。


 廊下でアシュレイが立ち止まる。


「面と向かってあなたを糾弾した私をなぜ排除しないのですか? 首領の権限をもってすれば簡単なはずだ」


 クロノは答える。


「確かに排除は簡単です。しかしあなたは優秀だ」


「情けですか」


「戦力の無駄遣いはしません」


 アシュレイは小さく笑う。


「あなたは、ヒーローより厄介だ」


 そしてアシュレイの声が低くなる。


「逃げ道がない」


 深夜。


 クロノの机に新たな報告。


『怪人労組、正式登録完了』


 その下に、小さな追記。


『人間市民側でも“悪の組織政権監視団体”が発足』


 クロノは目を閉じる。


(内も外も、組織化の時代か)


 眼鏡を押し上げる。


「……広報予算、増やしましょう」


 世界征服は終わった。


 だが。


 人心は、まだ征服できていない。


 そして、灰はまだ熱を持っている。


 その言葉だけ残して去る。

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