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同じ位置にいたはずの男
アシュレイ、なかなかの曲者です。
クロノは静かに答える。
「私が望んで首領になったわけではありません。先代閣下が決めたことです」
「逃げですか?」
「事実です」
アシュレイは肩をすくめる。
「私は3年前、ヒーロー最終決戦プランの成功確率を41%まで引き上げました」
その言葉には次期首領にふさわしかったのは自分であるという思いが見え隠れする。
「知っています」
「あなたは?」
「補給線の最適化で戦闘損耗率を12%削減しました」
沈黙。
2人は同じ世界を見てきた。
前線ではなく、数字の世界。
アシュレイの声がわずかに低くなる。
「私は“勝たせる”ことを考えた。あなたは“減らさない”ことを考えた。どちらがより勝利への確率を高めたのでしょうね」
「今、必要なのは後者です」
クロノが静かに答える。
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