10.番外編 その後の二人
「ユーリ、君を愛してる。私の番として、生涯共に過ごして欲しい。」
良い良いわ。
全くいくつになってもルーはズルいくらいにカッコいい。
共に過ごした年月はルーを渋みのあるいぶし銀のようなイケオジに変えた。
今日も満点だわ、ルー。でも、私は欲張りだから、及第点はあげないわ。明日も聞きたいもの。
「残念だけど、明日もやり直しね。」
かなわないなと微笑むルーの大人の余裕も素敵だわ。明日はどんな告白を見せてくれるのかしら。
毎日ルーのバリエーション豊かな告白が見られてほんと幸せだわ。
「お祖父様とお祖母様、毎朝何十年も懲りずに番の儀式ですか?もう、とっくに番でしょう。たくさんの子供に孫やひ孫たちまでいるのに。いい加減……。」
末の孫がやってきて話しかけたと思ったら突然言葉を切って、後ずさった。
「あら、あの子いきなりどうしたのかしら?」
「用事でも思い出したんじゃないか?」
少し悪い顔で笑うルーに、あの日の黒い笑顔のルーを思い出した。
これは、ルーには内緒なんだけど。あの日のタガが外れたルーは抗いがたいくらい素敵だったわ。
大人の色気っていうのかしら?駄目ってわかっていて堕ちる恋を身を持って思い知らされたのよね。もともと好きだったルーにまた引き返せないくらい嵌った瞬間よね。
ただ翌朝、正気にかえって平謝りするルーに、イタズラ心で私の納得する告白をやり直せって言ってしまったのよね。
だって、あんなに憧れた番の儀式が脅迫まがいの押し売りでは少し……。
いや、あれもたまらなく良かったんだけど。正統派も見たいじゃない?
で、その朝から毎日休むことなく毎朝この薔薇園で繰り返される番の儀式は、今やこの国の名物の1つらしい。
ああ、今日のルーも素敵だったわ。
「ユーリ、今日のお菓子は摘みたてのいちごをたくさん使ったミルフィーユだよ。」
「まあ、楽しみね。でも、私、綺麗に食べられるかしら?」
「いつもみたいに綺麗に食べさせてあげるから大丈夫だよ、私の唯一。」
「じゃあ、私もいつもみたいに食べさせてあげるから、大きなお口を開けてね、ルー。」




