6.龍は魔物を作る
続きです
「うん、竜族にして正解だったね。力はだいぶ落ちてるけど、それでも十分安定してる。これなら、この星が壊れる心配はないでしょ」
「にしても、この身体……随分とボロボロだね。羽は折れてるし、角もない。尻尾は……切り取られてるのか。それに加えて、内臓もいくつか無いときた」
そう言いルナスは力を用いて肉体を修復すると同時に強化した
「さて、何でこんな事になってるのかな」
(どうやら、その身体の元の持ち主は裏社会の人間に捕まり、実験などをされていたようです)
「へぇ……まあ、いいけど」
その時――
「な、何で生き返ってるんだよ!!」
「あ?」
「ありえねぇ……死んだ奴が蘇るなんて……」
声を上げたのは、この身体をゴミ山に捨てた男だった。
何故ここに戻ってきたのか。――もしかすると、竜族の幼子を捨てた罪悪感が彼を呼び戻したのかもしれない。
「なに? コイツ」
(どうやら、その身体の持ち主を殺害した人物の仲間のようです)
「へぇ……そうか。……うーん、この身体の持ち主も無念だったろうし。仇討ちとまではいかないけど――まあ、身体を貰ったお礼にはなるか」
「へ……っ?」
男は気づいていなかった。
目の前に立つ竜の中身が、もはや“別の存在”であることに。
そして――自らがすでに“死んでいる”ことにも。
ルナスは淡々と男を仕留めた。
その後、わざと残した頭部に指先を触れる。
「……ふむ」
瞬間、男の記憶が流れ込み、アジトの位置が鮮明に脳裏へ浮かぶ。
「あそこか……」
「初戦闘は派手に行きたいよな。でも、人間相手にそこまで力は要らないし」
(提案。魔物を創造してみては?)
「魔物を……作る?」
(是。魔物とは、マスターの魔力を過剰に浴びた生物の成れの果て。その原理を踏まえれば、マスターは自在に“生物”を生成できるはずです)
「なるほど……面白い。それはいいな。じゃあ……」
ルナスは足元に転がる男の頭部を見下ろす。
「ふふ……」
――――――――――
アジト
「……遅ぇな」
「いつまでかかってんだよ。戻ってきたら罰を与えてやる」
「それよりも、妙じゃねえか? なんで今さら竜族のガキの死体なんか欲しがる?」
「……急遽、必要になった――そういうことにしておけ」
「はっ、そうかよ。……で、前の奴は?」
「そんな奴は初めから存在しない。そうだろう?」
「へいへい。……そうだったな、俺らが取引してんのは最初から“あんた”だ」
会話をしているのは、かつて竜族の子を殺した男と、正体を隠す人物。
「だがよ……一つだけ気になる。どうして竜族の死体を欲しがる? 尻尾も切り取られて、もう価値なんざ残っちゃいねぇだろ」
「…………誰がそんなことを?」
「前の奴さ。……おっと、そんな奴はいなかったな。忘れてくれや」
「……ふん。まあいい。少しだけ話してやる」
「最近の研究で判明したのだ。竜族特有の特徴は“先祖返り”――つまり潜在的に人間の中にも竜の因子は存在する」
「だからこそ、サンプルは必要だ。幼い雌の竜族など、貴重極まりない。使い潰した後でも利用価値は残る」
――――――――――――――
「うん、こんなもんか。初めてにしては、悪くない出来だと思うな」
そこにいたのは――
巨大化した“人間の頭部”に、無数の手足が生えた異形の魔物。
「さて……ここだな」
ルナスは一瞬にしてアジトの上空へと移動した。
「じゃあ、頑張って」
いかがでしたか?楽しんでもらえたのなら幸いです。
見にくい、ここの文章がおかしい、面白くない、などありましたら教えて頂きたいです




