40.次の世界へ
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ルナス視点
「うーん……やっぱり、あれこれ干渉したのは失敗だったかな」
漆黒の宇宙空間。
その真ん中で、ルナスは眼下に広がるひとつの世界を見下ろしながら、ひとりごとのように呟いた。
「正直、疲れただけだったしね。……まあ、それでも楽しくはあったけど」
これまでの出来事を思い返すと、口元に自然と笑みが浮かぶ。
「滞在期間はこれまでの世界に比べれば、本当に短かったんだけどね」
星々が静かに瞬く中、ルナスは腕を組み、次に向かう世界について考え始める。
「さて……次はどうしようかな?」
今回の“失敗”を踏まえるなら、次の世界では干渉せず、用意された物語をただ“観測するだけ”に徹するべきだろう。
だが、それはあまりに退屈だ。
ありきたりの物語を見続けているだけでは、どうしても壊してしまいたくなる。
龍という強靭な種へと変わった今でも、本質は人間。
そして、忍耐力は皆無に等しい。
そんなルナスにとって、「観測だけ」という選択肢は致命的だった。
「……今回は現代日本の魔法少女物だったし、次はファンタジー物……かな?」
ぽつりと呟いた後、苦笑する。
「ファンタジーねぇ。どうせ王道の魔王討伐あたりでしょ? 王道すぎて逆につまらなさそう」
また一つ悩みが増える。
――その時。
「……ん? なんだ、これ……引っ張られてる?」
ルナスの足元に、淡く光を放つ魔法陣が出現した。
「召喚魔法……かな?ここの世界にもあるんだね」
場違いなほど冷静に呟く。
「しかし、弱体化してるとはいえ、“龍”を召喚するとは……なかなかの使い手だね」
意識が遠のくような感覚が襲う。しかしルナスは、それを力づくで排除した。
「召喚時に対象者の意識――いや、魂を一度休眠させて、世界超越の負荷に耐えさせているんだ。よく考えたものだよ」
(疑問。マスターは何故抵抗なさらないのですか?)
声を上げたのは、ルナスのそばに浮いているスマホだ。
かつて“ルネ”として活動していたが、今はただの端末に戻してある。
「気になるんだよ。この魔法陣、どうやら召喚対象が複数いるみたいだからね。それに――」
ルナスは光り輝く魔法陣を、その真っ黒な眼でじっと見つめた。
「……ほんの少しだけど、龍の気配がする」
いかがでしたか?楽しんでもらえたのなら幸いです。
見にくい、ここの文章がおかしい、面白くない、などありましたら教えて頂きたいです




