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龍は世界を渡る  作者: 人外主人公大好き
1章 魔法少女の世界
31/48

31.代償

短いです

「まあ、普通ならね」

セリスは握った拳を開き、指先を軽く広げた。


「……策があるのか?」

イリスが慎重に問いかける。


「うん」

セリスは軽く頷く。


「そうか。私は何をすればいい?」


「見てて」

セリスの視線は、鋭くゼロを捉えていた。


「は? 見ててとは……」

イリスの問いに答えることなく、セリスはそのまま飛び出す。


「おや、1人だけか?」

ゼロが微笑み、腕を組むように構えた。


「はは、君なら僕1人でもどうにかできるんだよ」


「ほう? ならやってみ……」

ゼロが言葉を紡ぎかけた瞬間、セリスは動きを止めずにナイフを生成した。


鋭い刃が閃き、ゼロの腕を切断する。

一瞬の出来事に、空気が凍りつくようだった。


「がぁ……貴様、吾輩の腕を何故! どうやって──」


「…やっぱりね。なぜかは知らないけど、数週間前にこの力を身につけた。これはあらゆるものを腐らせ、破壊し、消滅させる力だよ」

「この力なら君を殺せる」


セリスの声は静かだが、確信に満ちている。口元から血が一筋垂れ落ちた。


「使えるのは、この力を弾に込めたものを一日に三、四発くらいだけ。今回は無茶したよ」

セリスは短く笑い、痛みに耐えるように拳を締める。


ゼロは腕から飛び散った血を見下ろし、口元が歪む。怒りと驚愕が混ざった声が漏れる。

切断された側の腕からは黒い煙のようなものが立ち上り、空気に嫌な匂いが満ちたが、それはすぐに引き攣るように収縮して消えた。


ゼロの目が鋭く光る。

「生きて帰れると思うなよ……っ!」


そのときゼロが止まる。

「はっ……了解しました、カイゼル様」


ゼロは空に向かって話しかける。まるでそこにいる誰かと会話するかのように。

「……ここまでだな。カイゼル様より帰還の命令が下った。運が良かったな、貴様ら」


「…君の方が運が良かったね」

セリスは嘲るように言う。


「……貴様は必ず殺す」


狂気じみた笑みを浮かべると、ゼロの影が床いっぱいに広がり、その身体を飲み込んでいった。


「……行ったようだ」

イリスが周囲の気配を探る。


「………」

セリスが膝から崩れ落ちる。


「セリス!」


冷たい風だけが戦場に残り、瓦礫の間に静寂が戻った。

いかがでしたか?楽しんでもらえたのなら幸いです。

見にくい、ここの文章がおかしい、面白くない、などありましたら教えて頂きたいです

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