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ダークカーテンの独白
二部始まりでございます。
そして、2人目の登場です。
俺は時々、自分が本当に人間なのかがわからなくなる。
昔から俺は大抵のことは、人並み以上になんでもできて、むしろ、できないことのほうが少ないくらいだった。
だからなのかもしれない。
周りの人間が、俺を化け物みたいに見るのは。
羨望と嫉妬の眼差しの中に、恐怖が含まれているのは。
「すごい」
「さすがだ」
「敵わない」
「本当に人間か?」
「人間じゃねーよ、絶対」
「同じ人類とは思えないね」
その声が、
俺を見つめる眼差しが、
薄ら笑いが、
俺を人間じゃないと拒絶しているように思えた。
ああ、だから俺は常々思っている。
俺の視界を全部、黒いカーテンで覆ってしまいたいと。
いや、いっそのこと体中をそのカーテンですっぽりと隠して、周りから隠れてしまいたい。
そんな、つまらない逃避願望。
孤独を嫌うくせに、周囲との隔絶を望む矛盾。
それが俺、ダークカーテン。