木島陽平の独白
これはとある物語の幕が上がる前に、主人公たる少年がだらだら愚痴をこぼしているものです。
適当に鼻で笑いながら読んでやってください。
俺はいつでも中途半端だった。
昔から、本当にやりたいことなんて見つけられなかったし、何かをやり遂げられたこともほとんど無かった。たまに興味を持ったことがあったとしても、中途半端に努力をし、中途半端に結果を残して、自分の才能の無さを思い知った。
笑えるのが、才能が無いと思い知ったくせに中途半端に諦めきれず、時々、思い出したように努力を繰り返すことだ。
まったく、素直に諦めればいいのにな。
そんな自分の中途半端さに嫌気がさして、荒れた時期もあったけれど、ほんの数年であっさりと更正してしまった。
荒れ方すらも俺は中途半端だった。
あ、よく勘違いされるのだが、俺はこんな風に中途半端なのだが、別にそのこと自体は今はそんなに悲観していないし、それなりに青春をエンジョイしている。
実際、自分の愚痴みたいなことを言うのは結構久しぶりだった。
その程度には楽しく毎日を送っている。
ただ、ついつい思ってしまうのだ。
こんな中途半端な俺が、本当に世界なんてものを救えるのか?
本当のところ、救えるかどうかなんて言っている場合じゃない。
俺しか世界を救えないのだから、何が何でも救わなければいけないのだけれど、俺はその決意すらも中途半端だった。
出来ることなら、こんな俺でも世界を救えると信じたい。
【ライターアース】と笑える日が来ることを、信じたい。