第253話
【物語は10年前、ダンジョン出現当日に戻る】
【ダンジョン出現後、3週間経過】
【2ch 掲示板 - 雑談スレ Part. 12】
1: 名無しの実況民A
おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
テレビ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
つけろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今すぐ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
政府が、動いたぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!
2: 名無しのゲーマー
1
どうせまた、「国民の皆様は冷静に行動してください」だろ。
もう聞き飽きたわ。
3: 名無しの実況民B
2
違う!違うんだよ!
今、首相官邸から緊急会見やってる!アメリカとの共同声明だ!
これ、マジでヤバいやつだ!
4: 名無しの最初の戦士
3
kwsk!俺、今ダンジョンの中なんだよ!
5: 名無しのまとめ職人
4
任せろ。今、まとめる。
震えんなよ。
・日本政府とアメリカ政府、これまでの画一的な一時金支給制度とドロップ品没収制度を、本日付けで「廃止」すると発表。
・代わりに、新たに自由市場的な「ドロップ品買い取り制度」を導入。
・その買い取り業務と、今後の探索者たちの管理・支援を専門に行う新組織…
**【公式探索者ギルド】**の設立を、正式に発表した!
6: 名無しの最初の魔術師
は!?
ギルド!?マジかよ!
7: 名無しの最初の盗賊
公式…だと…?
8: 名無しのまとめ職人
まだだ!まだ続きがある!
気になる買い取り価格も、発表されたぞ!
鑑定スキル持ちが一点一点鑑定して、状態に応じて値段を決めるらしいが、最低保証価格はこれだ!
・F級魔石:5万円~
・E級魔石:10万円~
・ノーマル等級装備品:1000円~
・マジック等級装備品:5000円~
・ゴブリンの耳などのモンスター素材:用途が確定するまで、一律500円
・E級からドロップするオーブ類:5万円~
9: 名無しのニート(28)
……………は?
10: 名無しの最初の戦士
…ご、5万円!?
F級の魔石が!?
俺、今日だけで5個拾ったんだが!
25万!?一日で!?
11: 名無しの最初の魔術師
E級のオーブも5万かよ!
この前、俺が拾ったあの【変質のオーブ】、とんでもねえお宝だったんじゃねえか!
政府に10万で買い叩かれたと思ってたけど、むしろ適正価格だったのか!
12: 名無しの社畜
ノーマル装備ですら1000円…。
俺、さっきまでゴミだと思って捨ててた鉄の剣、10本くらいあったんだが…。
1万円、ドブに捨てたのか…。
会社、辞めてえ…。
13: 名無しのゲーマー
祭りだ…!
これは、祭りだあああああああああああああああ!!!!!!
魔石、うますぎるだろ!
これ、もう仕事辞めて、ダンジョンに住んだ方が良くねえか!?
14: 名無しのニート(28)
8
ゴブリンの耳500円wwwwwwwwwwwwwwww
15: 名無しの最初の盗賊
14
wwwwwwwww
でも、待てよ。500円って、冷静に考えたら結構高くね?
コンビニで、弁当買えるぞ。
16: 名無しの最初の戦士
15
吉野家の牛丼一杯食えるじゃねえか。ゴブリン1匹で、牛丼1杯。
最高の錬金術だろ。
明日から、俺はゴブリンの耳だけを狩る仕事に就く。
17: 名無しの現実主義者
16
やめとけwww
どう考えても、魔石の方が効率いいだろwww
そのあまりにも巨大な、そしてどこまでも希望に満ちた発表。
スレッドは、もはや制御不能の熱狂の坩堝と化していた。
誰もが、自らの目の前に現れた、このあまりにも巨大なゴールドラッシュに、その心を躍らせていた。
そして、その熱狂は、やがて一つの新たな「誇り」へとその姿を変えていく。
255: 名無しのゲーマー
しかし、マジでかっけえな。
【公式探索者ギルド】か…。
響きが、最高すぎるだろ…。
258: 名無しの最初の盗賊
255
だよな!
これって、俺たちももうその一員ってことでいいのか?
261: 名無しの最初の戦士
258
当たり前だろ!
俺たちは、国に認められた、プロの「探索者」なんだよ!
もう、フリーターでも、ニートでもねえ!
265: 名無しのニート(28)
261
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
俺、ついに無職卒業か!
感無量だ…!
272: 名無しの社畜
やべえ、マジで会社辞めたくなってきた…。
明日、部長に辞表叩きつけてくるわ。
俺の新しい職業は、「公式探索者ギルド所属 探索者」だってな。
278: 名無しの最初の魔術師
272
名刺、作らなきゃな!
そのあまりにも前向きで、そしてどこまでも希望に満ちた一言。
それに、スレッドはこの日一番の、温かい笑いに包まれた。
恐怖と混沌から始まった、この新しい時代。
それは、今、確かに「希望」の時代へと、その姿を変えようとしていた。
彼らの、本当の冒険は、まだ始まったばかりだった。