【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】ユニーク評価リストPart3
残響の歩み Echoing Steps
外見: 黒く鞣されたしなやかな革のブーツ。その表面には、風や音の流れを象徴するような、銀色の流麗な紋様が刻まれている。歩くたびに、その紋様から一瞬だけ光の残像が生まれる。
基本性能:
回避力 +400
種別: ブーツ
レアリティ:ユニーク
装備条件: レベル40, 敏捷 120
効果:
・最大HP +150
・全ての元素耐性 +25%
・移動速度が25%増加する
・あなたが敵を倒した時、「残響」を1スタック得る(最大10)。5秒間敵を倒さなかった場合、全ての「残響」を失う。
・移動スキルを使用した時、全ての「残響」を消費し、消費したスタック数に応じて4秒間「エコー」バフを得る。
(「エコー」は1スタックにつき、攻撃速度、詠唱速度、そして移動スピードを3%増加させる。)
フレーバーテキスト:
立ち止まるな。
振り返るな。
戦いの合間の静寂こそが、英雄を殺すのだ。
最後の一撃の咆哮を、次なる戦場へと持ち込め。 その残響を、お前の鬨の声とせよ。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
アーティファクト・クラス: ユニーク(Unique)
アイテム名: 残響の歩み (Echoing Steps)
脅威レベル評価: C+ (要注意。A級探索者の周回速度を飛躍的に向上させるが、その市場価格の高騰を注視)
1. 概要
本ユニーク・ブーツは、装備者に高い最大HP、全元素耐性、そして移動速度を付与する。最大の特徴は、敵を倒すことで溜まる「残響」スタックを消費し、攻撃、詠唱、移動の全ての速度を最大で30%増加させる「エコー」バフを得るという、自己完結した速度向上メカニズムにある。
2. 市場価値と経済的影響
本アイテムは、その優秀な性能から、高速周回を目的とするA級探索者からの需要が極めて高い 。特に、より効率的な資産形成を目指す海外冒険者や海外バイヤーの購入対象となっているため、市場価格は高騰を続けており、現在のレンジは2500万円で取引されている 。
その価格は、A級探索者にとって大きな投資となるが、それに見合うだけのリターン(周回効率の向上)が見込めるため、取引は活発に行われている。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
本アイテムの戦略的価値は、探索者の「時間対効果」…すなわち、金策や経験値稼ぎの効率を最大化する点にある。
高速周回の最適化: フレーバーテキストにある通り、『立ち止まるな。振り返るな』という思想をビルドとして体現する。敵を倒し続けることで、常に最高速度を維持し、ダンジョンを駆け抜ける。これは、特にアイテムドロップを目的とした周回において、絶大な効果を発揮する。
「中間装備」としての限界: とはいえ、その性能は攻撃と速度に特化している 。**S級中位以上で必須となる「スペルダメージ抑制確率」のような、高難易度コンテンツで要求される特殊な防御MODを持たないため、あくまでエンドゲームに向けた「中間装備」**であるという評価は揺るがない 。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【残響の歩み】を、A級探索者が自らの資産形成能力を飛躍的に向上させるための、極めて優秀なユニーク足装備であると評価する。
その存在は、探索者経済圏の活性化に貢献している。
ただし、その価格高騰は、探索者間の経済格差を助長する一因ともなっている。ギルドとしては、今後もその市場動向を注視し続けるものとする。
以上。
名前: ヘモフィリア (Haemophilia)
種別: 腕装備
レアリティ:ユニーク
物理耐性: 87
回避: 87
装備条件: レベル 43, 筋力: 34, 敏捷: 34
性能:
・筋力 +30
・継続ダメージが25%増加する
・アタックは、25%の確率で出血させる
・出血状態の敵に対するアタックダメージが40%増加する
・あなたが出血状態の敵を倒した時、その敵は爆発し、最大ライフの5%にあたる物理ダメージを周囲に与える
・出血の持続時間が25%減少する
フレーバーテキスト:
一つの傷は、やがて千の傷口へと変わる。
戦場に、血の華を咲かせるがいい。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
アーティファクト・クラス: ユニーク(Unique)
アイテム名: ヘモフィリア (Haemophilia)
脅威レベル評価: B (要注意。特定のビルドをメタゲームの頂点に押し上げる可能性があり、その市場価格の急騰と、国際的な需要を最高レベルで監視)
1. 概要
本ユニーク・腕装備は、装備者のアタックに「出血」効果を付与する確率を高め、出血状態の敵に対するダメージを大幅に増加させる。最大の特徴は、「出血状態の敵を倒した時、その敵は爆発し、最大ライフの5%にあたる物理ダメージを周囲に与える」という、連鎖的な範囲攻撃を可能にする効果にある。
2. 市場価値と経済的影響
本アイテムは、その専門性から一部の物理ビルド愛好家の間で人気があったが、市場価格は比較的安定していた。
しかし、アメリカのトップギルド『ヴァルキリー・キャピタル』が、この出血爆破ビルドの亜種をギルドの主力戦術の一つとして採用したという噂が流れてから、状況は一変した。
世界のトップランカーたちがその有用性に気づき、一斉に買い求めた結果、市場は深刻な品薄状態に陥り、価格は高騰して2500万円付近で落札される事が続いている。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
本アイテムは、戦士出血ビルド用のユニーク装備として、その中核をなす存在である。
雑魚敵の殲滅能力: フレーバーテキストにある通り、『一つの傷は、やがて千の傷口へと変わる』。この装備の真価は、高密度の敵集団に対する圧倒的な殲滅能力にある。一体の敵を倒せば、その爆発が周囲の敵を出血させ、さらに次の爆発を誘発する。この連鎖反応は、ダンジョンの周回速度を劇的に向上させる。
メタゲームへの影響: ヴァルキリー・キャピタルの採用により、これまでニッチなビルドと見なされていた「出血爆破ビルド」が、一躍トップメタへと躍り出た。これにより、多くのA級探索者が、自らのビルドの見直しを迫られている。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【ヘモフィリア】を、現在のメタゲームに極めて大きな影響を与えている、最重要アイテムの一つであると認識している。
その急激な価格高騰は、特定の海外ギルドの動向という、予測困難な要因によって引き起こされた。これは、今後の探索者経済が、よりグローバルで、そして不安定なものになっていくことを示唆している。
したがって、本アイテムをメタビルドの変化を要監視する対象であると位置づけ、その価格動向と、国際的な需要の変化について、最高レベルの警戒をもって分析を継続することを、強く推奨する。
以上。
名前:暗黒の玉座
ベースアイテム: スティジャン・ヴァイス
種別:ベルト
レアリティ:ユニーク
性能:
・暗黙MOD ビサルソケットを1個持つ
・アビサルソケットを1個持つ
・装着したアビスジュエルの効果が50%増加
フレーバーテキスト:
玉座に座す王の言葉は、常に二つ。
一つは『進め』、もう一つは『蹂躙せよ』。
我ら僕は、その二つの響きだけで、神の軍勢となる。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
アーティファクト・クラス: ユニーク(Unique)
アイテム名: 暗黒の玉座
脅威レベル評価: C (要注意。ロール値によって価値が極端に変動し、市場に特殊な二極化を生んでいる)
1. 概要
本ユニーク・ベルトは、特殊な「アビサルソケット」を一つ持ち、そこに装着したアビスジュエルの効果を
50%から100%の範囲で増加させるという、極めて強力な効果を持つ 。この効果の振れ幅(ロール値)によって、その価値が天と地ほどに変わるという、非常に特殊な性質を持つアイテムである。
2. 市場価値と経済的影響
本アイテムは、A級上位ダンジョンで出現するアビス内のボスからのみドロップするため、その供給量は限られている 。市場における価値は、その可変的な性能によって、完全に二極化している。
高ロール品(90%~100%): 完璧な、あるいはそれに近い100%のロール値を持つ個体は、エンドゲームビルドの最終装備候補となりうる。その性能から、取引価格は5億円からスタートする、極めて高価な一品である 。
低ロール品(50%): 対照的に、最低値である50%の個体は、ハズレ品として5万円程度で投げ売りされている 。
この極端な価格差は、本アイテムが持つ特異な市場を形成している。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
本アイテムは、そのロール値によって、全く異なる二つの役割を持つ。
トップランカーの最終兵器として: 完璧なロール値の【暗黒の玉座】に、神がかった性能を持つアビスジュエルを装着した場合、その相乗効果は他の追随を許さない。特定のステータスを極限まで高める、究極の特化型ビルドを生み出すことが可能となる。
「隠れた初心者向け装備」として: 本アイテムの最大の特異点は、レベル1から装備出来るという点にある 。これにより、5万円で投げ売りされている低ロール品ですら、新人探索者にとっては破格の性能を持つ「神の装備」と化す。安価なアビスジュエルを装着するだけで、序盤の攻略を劇的に安定させることができるため、一部の熟練者の間では、隠れた初心者向け装備として、密かな人気を博している。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【暗黒の玉座】を、そのロール値によって全く違う顔を持つ、市場経済の観点から見て極めて興味深いユニークアイテムであると評価する。
高ロール品はトップランカーの目標となり、低ロール品は新規探索者の助けとなる。この二極化した価値は、結果として市場全体の活性化に繋がっている側面もある。
現時点では、ギルドによる市場介入の必要性は認められない。今後も、その取引価格の動向を注視し続けるものとする。
以上。
名前: 背教者 (The Apostate)
ベース: カバリストのレガリア
種別:胴装備
レアリティ:ユニーク
アイテムレベル: 46
装備条件: レベル35
性能:
・筋力 +42
・全元素耐性 +28%
・装備している防具アイテムから、最大エナジーシールドの代わりに、最大ライフを得る。
(このアイテムは、知性や敏捷性の要求値を持たない)
(このアイテムは、エナジーシールドを持たない)(隠しMOD)
フレーバーテキスト: 知性の塔を、自らの手で、打ち砕け。 その瓦礫の上にこそ、新たな力の礎がある。 賢者の道を捨て、獣の道を選んだ者だけが、この冒涜の衣を、纏う資格を得る。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
アーティファクト・クラス: ユニーク(Unique)
アイテム名: 背教者 (The Apostate)
脅威レベル評価: A+ (戦略級兵器。世界のメタゲームを根底から覆し、経済とパワーバランスに壊滅的な影響を与える)
1. 概要
本ユニーク・胴装備は、装備者に高い筋力と全元素耐性を付与する。その真価は、「装備している防具アイテムから、最大エナジーシールドの代わりに、最大ライフを得る」という唯一無二の特性にある。これにより、術者は知性ビルドでしか到達できなかったはずのエナジーシールド装備の恩恵を、全て最大ライフへと変換することが可能となる。
2. 市場価値と経済的影響
本アイテムは、非常にドロップレートの低いアイテムであり、その存在自体が長らく伝説として語られてきた。
直近では探索者“JOKER”がドロップさせ、150億円で落札された事が記憶に新しい。この一件により、これまで一部の理論家しか注目していなかった本アイテムの真の価値が、全世界に知れ渡ることとなった。
この150億という数字も序章に過ぎず、今後ドロップした際の値段に注目が集まっている。また、過去の落札物が転売される可能性も考慮しなければならない。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
このニッチな性能は今まで注目されていなかったが、オーディンギルド所属のラグナル氏がその身をもって証明した通り、本アイテムは今後のメタの中心になると想定される。
ライフスタッキングビルドの完成: フレーバーテキストにある通り、『賢者の道を捨て、獣の道を選んだ者』…すなわち、知性を捨て筋力と体力に特化した戦士ビルドが、魔術師用のエナジーシールド装備をライフへと変換する。この冒涜的なシナジーにより、そのライフスタッキングのスタイルはHP3万という異次元の領域まで到達している。
絶対的な力の証明: HP3万という圧倒的な耐久力は、A級上位ダンジョンですらソロで1分を切るタイムで蹂躙することを可能にする。これは、もはやビルドの一つではない。世界の理そのものを書き換える、新たな力の体系である。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【背教者】を、世界のパワーバランスを根底から覆しかねない、神話級アーティファクトに匹敵する、極めて危険なユニークアイテムであると再定義する。
その所有は、ギルド一つ、あるいは国家一つの戦略的優位を、絶対的なものへと変えてしまう。
以上の理由から、本アイテムを**「非常に要監視のアイテム」**と位置づけ、今後、市場に現れる全ての個体の行方を、最高レベルのセキュリティをもって追跡・監視することを、強く推奨する。
これは、世界の均衡を守るための、最重要事項である。
以上。
名前: 肉なる融解
種別: コバルトジュエル
アイテムレベル: 86
リミット: 1個まで
性能:
全ての元素耐性 -80%
全ての最大元素耐性 -4%
元素耐性の上限は、あなたの最も高い最大元素耐性によって決定される
フレーバーテキスト:
我々は、故郷の谷を引き裂く、突然のジャングルに目を覚ました。
掴みかかる枝が、我らを、我らの内側を、締め上げた。我々は互いに沈み込み、
そして、生ける空へと昇った。私の家族は、今もなお、私の隣で叫び続けている。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
セキュリティレベル: LEVEL OMEGA (最高機密)
閲覧権限: 国際公式ギルド最高幹部、およびビルド理論分析部門の最高責任者のみ
アーティファクト・クラス: ユニーク(Unique) / ジュエル
アイテム名: 肉なる融解 (Melding of the Flesh)
脅威レベル評価: A+ (戦略級。ビルドの防御思想を根底から覆し、経済とパワーバランスに壊滅的な影響を与える可能性がある、最重要監視対象)
1. 概要
本ユニーク・ジュエルは、装備者に**「全元素耐性-80%」「最大全元素耐性-4%」という、極めて致命的なデメリットを課す。
しかし、その代償として、「術者の元素耐性の上限は、最も高い最大元素耐性によって決定される」**という、世界の理を捻じ曲げる、唯一無二の効果をもたらす。
2. 市場価値と経済的影響
本アイテムは、特定のエンドゲームボスからのみ、極めて低い確率でドロップすると報告されている。
そのあまりにもピーキーな性能故に、その真価を理解できない者にとっては無価値な石ころであるが、その本当の意味を理解するトップランカーにとっては、数十億、あるいは数百億円を投じてでも手に入れる価値のある、究極の至宝となる。
もし市場に出品されれば、【背教者】のオークションに匹敵、あるいはそれ以上の、熾烈な争奪戦が繰り広げられることは間違いない。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
本アイテムの戦略的価値は、防御ビルドにおける「一点特化」を「全能」へと昇華させる、その常識外れの能力にある。
最大耐性の複写: 例えば、特定のオーラや装備で最大火炎耐性のみを90%まで引き上げた探索者がこのジュエルを装備した場合、その90%という数値が、火炎だけでなく冷気と雷の最大耐性にも適用される。これにより、術者は全ての元素ダメージを9割カットするという、神の如き堅牢性を手に入れる。
防御思想の破壊と再構築: このジュエルは、バランス良く耐性を積み上げるという、これまでのビルド構築の常識を完全に破壊する。探索者は、ただ一つの最大耐性を極限まで高めることだけにリソースを集中すればよい。これにより、他の装備やパッシブスキルの自由度が爆発的に向上し、残りの全てを火力に注ぎ込むといった、常識外れのビルドが成立してしまう。
フレーバーテキストとの関連性: この力は、フレーバーテキストが示唆するように、おぞましい代償と共にあるのかもしれない。「私たちは互いに沈み込み、そして生ける空へと昇った」という一文は、このジュエルが持ち主の魂を、何か別の、より高次の、しかし人間ではない存在へと「融合」させてしまう危険性を暗示している。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【肉なる融解】を、世界のパワーバランスを根底から覆しかねない、最も危険なユニークアイテムの一つであると断定する。
その存在は、一個人の探索者を、対ギルド、対国家レベルの戦略的脅威へと変貌させる可能性を秘めている。
したがって、本アイテムの所有が確認された探索者は、その動向を最高レベルのセキュリティで監視し、そのビルド構成と戦闘データを、徹底的に分析する必要がある。
これは、世界の秩序を守るための、最重要事項である。
名前: レプリカ・アルベロンの戦闘鉄靴
種別: ソルジャーブーツ
レアリティ: ユニーク
物理耐性: 319
エナジーシールド: 20
装備条件: レベル 49, 筋力 47, 知性 47
性能:
・筋力が18%増加する
・物理耐性 +220
・混沌耐性 +19%
・移動速度が25%増加する
・混沌ダメージ以外のダメージを与えることができない
・筋力80ごとに、アタックに1-80の混沌ダメージを追加する
フレーバーテキスト:
飢えた被験体は、完全に力を振るう能力を失った。
だが、栄養を与えられると、彼が触れるもの全てを毒し始めた…
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
セキュリティレベル: LEVEL OMEGA (最高機密)
閲覧権限: 国際公式ギルド最高幹部のみ
アーティファクト・クラス: 神話級 (Mythic-tier) / レプリカ
アイテム名: レプリカ・アルベロンの戦闘鉄靴
脅威レベル評価: S+ (メタゲーム破壊兵器。世界のビルド理論を根底から覆し、経済に壊滅的な影響を与える可能性がある)
1. 概要
本アイテムは、ユニーク・ブーツ【アルベロンの戦闘鉄靴】のレプリカでありながら、その性質を完全に反転させた、極めて特殊な装備である。
その効果は、術者が積み上げた「筋力」のステータスを、莫大な「混沌ダメージ」へと変換するという、一点にのみ特化している。ただし、その代償として、術者は混沌以外のいかなるダメージも与えることができなくなる。
2. 市場価値と経済的影響
本ユニークは、グランドハイストからしか出ないレプリカユニーク装備であるため、その希少性は計り知れない。
もし万が一、これが市場に出品された場合、その最低落札価格は10兆円からスタートと思われる。その取引は、もはやギルド間の競争というレベルには留まらず、国家レベルの経済戦争へと発展するだろう。このユニークが市場に出る事態になれば、地殻変動にも近い騒動を起こすことは、間違いない。
3. ビルドへの影響と戦略的価値
本アイテムは、世界のメタビルドを変貌させるほどの、圧倒的なポテンシャルを秘めている。
筋力スタッキングビルドの終着点: 筋力に特化したビルドは、これまで物理ダメージを追求するのが定石だった。だが、このブーツは、その常識を根底から覆す。探索者がパッシブスキルや他の装備で筋力を2000以上にまで引き上げた場合、その筋力から産出される混沌ダメージは想像を絶する威力となる。理論上、一撃でA級、あるいはS級のボスモンスターすらも屠ることが可能と予測される。
新たなメタの創造: このブーツの登場により、「筋力=混沌ダメージ」という、全く新しいビルド理論が確立される。これは、既存の防御メカニズム(物理耐性や元素耐性)の多くを無意味化する可能性があり、世界のビルド構築の常識を、一夜にして塗り替えるだろう。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【レプリカ・アルベロンの戦闘鉄靴】を、単なるユニーク装備ではなく、世界のパワーバランスそのものを破壊しかねない、戦略級の兵器であると認識している。
その存在と性能は、最高レベルの機密として扱われなければならない。
したがって、本ユニークは要監視対象とし、今後、グランドハイストからのドロップ報告や、所有者の存在が確認された場合、ギルドはその全ての情報を、総力を挙げて追跡・管理する義務を負う。
これは、世界の秩序を守るための、最重要事項である。
以上。
名前: 原罪
種別: アメジストの指輪
レアリティ: ユニーク
装備条件: レベル 52
性能:
混沌耐性 +23%
全ての元素ダメージは混沌ダメージに変換される
近くの敵の混沌耐性は0になる
フレーバーテキスト:
彼が神の座へと昇ったのは、人々の篤き信仰心によってではない。
他者への、悪意に満ちた誹謗と、底知れぬ憎悪によってであった。
【ギルド最高幹部会 - 内部評価報告書】
セキュリティレベル: LEVEL OMEGA (最高機密)
閲覧権限: 国際公式ギルド最高幹部のみ
アーティファクト・クラス: 神話級 (Mythic-tier) / 律を穿つもの (Law-Piercing)
アイテム名: 原罪
脅威レベル評価: SS (メタゲーム破壊兵器。世界のビルド理論の根幹を、単体で覆しかねない究極の禁忌)
1. 概要
本ユニーク・リングは、装備者が与える全ての元素ダメージを混沌ダメージへと変換し、さらに周囲の敵の混沌耐性を強制的に「0」にするという、二つの絶対的な効果を持つ。これは、防御の概念そのものを根底から覆す、極めて異質なアーティファクトである。
2. 入手条件と所有者
本アイテムは、SSS級ダンジョン【神への座】(トラップや大量の敵、魔法の弾幕だらけ)を、ノーダメージノーヒットでボス部屋まで到達した時のみ、ドロップすることが確認されている。
このあまりにも特異な入手条件から、その所有者は世界でもごく僅かな人数に限られている。所有者のリストは、ギルドの最重要機密として別途管理されている。
3. ビルドへの影響と戦略的価値(※最重要警戒事項)
本アイテムは、単体でも強力であるが、その真の恐ろしさは、特定のビルドと組み合わせることで、既存のメタビルドを完全に粉砕し、破壊する点にある。
耐性メタの完全な崩壊: 現在のトップランカーたちのビルドは、元素耐性を上限まで積み上げることが、生存の最低条件となっている。しかし、【原罪】の所有者の前では、その全ての努力が無意味と化す。全ての攻撃が混沌ダメージとなり、そして耐性は0として計算されるため、いかなる防御ビルドも、紙のように貫かれることになる。
【レプリカ・アルベロンの戦闘鉄靴】との禁断のシナジー: 特に、ギルドは【レプリカ・アルベロンの戦闘鉄靴】との同時使用を警戒しなければならない。筋力に応じて莫大な混沌ダメージを生み出すあのブーツと、敵の混沌耐性を0にするこの指輪。この二つが組み合わさった時、そこに生まれるのは、理論上、この世界のあらゆる存在を一撃で消滅させうる、究極の火力である。
4. ギルドとしての公式見解・推奨措置
当ギルド最高幹部会は、【原罪】を、世界のパワーバランスを根底から覆しかねない、最も危険なアーティファクトの一つであると断定する。
市場に流出した際には、その影響は計り知れず、世界のビルド理論は一夜にして崩壊するだろう。
したがって、本アイテムに関する全ての情報は、今後も最高機密として扱われる。
ギルドとしての最優先事項は、所有者の動向を監視し、そして何よりも、この「メタキラー」が、世界の秩序を乱すために使われることがないよう、あらゆる手段を講じることである。
以上。