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日米合同冒険者高等学校学校案内

【日米合同 冒険者高等学校アドベンチャラー・ハイスクール - 2025年度 入学案内】

【理事長挨拶】

 日本校 初代理事長: “雷帝(らいてい)神宮寺 猛(じんぐうじ たける)


 未来の英雄たちへ。


 私が探索者として歩み始めたあの日。世界は、混沌と、そして絶望に満ちていた。ダンジョンという未知の脅威の前に、我々人類はあまりにも無力だった。だが、我々は諦めなかった。一人、また一人と、自らの命を賭してダンジョンの謎に挑む「冒険者」が現れ、その小さな希望の光を繋ぎ合わせることで、今日の世界を築き上げてきた。


 あれから10年。時代は、変わった。

 もはやダンジョンは、ただの脅威ではない。我々に、無限の可能性と繁栄をもたらしてくれる、新たな「大地」だ。


 この冒険者高等学校は、その新たな大地を切り拓き、次なる10年の未来を創る、君たち若き才能のために設立された。ここでは、ただ戦う技術だけを教えるのではない。真の英雄に不可欠な、揺るぎない知性、仲間を思いやる心、そして何よりも、自らの人生を切り拓くための、強い意志を育む場所だ。


 我々が用意した、二つの基金という名の翼。それをどう使うかは、君たち次第だ。全ての者に与えられた「挑戦権」を手に、地道に、しかし確実に歩む道もいいだろう。あるいは、実力で「勝利の報酬」を掴み取り、一気に天へと駆け上がる道を選ぶ者もいるかもしれない。どちらの道も、等しく尊い。


 恐れることはない。君たちの前には、無限の可能性が広がっている。

 この学び舎で、最高の仲間たちと共に、自らの物語を紡ぎ出してほしい。

 君たちが、この国の、いや、この世界の新たな「光」となる日を、心から楽しみにしている。


 米国校 初代理事長: “シリコンバレーの雷神(らいじん)” イーサン・スターリング


 未来を築く者たちへ。


 はっきりさせておこう。これは学校ではない。インキュベーター(孵化装置)だ。

 我々は、君たちに歴史を教えるためにここにいるのではない。歴史を創る力を与えるためにいる。

 世界は変わった。古いルールは、もはや通用しない。強さ、知性、そして野心――それらこそが、世界のパワーという市場における、新たな通貨だ。この機関は、ただ一つの目的のために設立された。それらの資質を持つ、1%の中のさらに1%を見つけ出し、彼らが天へと駆け上がるためのリソースを提供するためだ。


 日本の雷帝ファンドは、高潔な試みだ。それは、セーフティネットを、そして「床」を提供する。

 私のスターリング・フューチャー・ファンドは、「天井」を提供する。君たちが突き破るべき、成層圏をだ。

 我々は、施しはしない。勝者に、投資する。トップ100への月額奨学金は、贈り物ではない。シードキャピタル(種銭)だ。我々は、その投資に対するリターンを期待する。そのリターンとは、君たちの絶対的で、妥協のない、圧倒的な成功だ。


 競争は、熾烈を極めるだろう。君たちの仲間は、友人ではない。競争相手だ。彼らは、君たち自身の価値を測るための、基準(ベンチマーク)となる。何人かは、壊れるだろう。それも、プロセスの一部だ。プレッシャーこそが、ダイヤモンドを創り出すのだから。


 安楽を求めて、ここに来るな。偉大さを求めて、ここに来い。

 未来は、臆病者のものではない。それを、築き上げる者のものだ。

 さあ、仕事に取り掛かろう。



【教育理念とカリキュラム】

 ■ 教育理念

 本校は、「次代を担う、知性と、品格と、そして圧倒的な実力を兼ね備えた、真のエリート探索者の育成」を、その教育理念として掲げます。単なる戦闘技術の習得に留まらず、ダンジョン経済、国際情勢、そしてビルド構築における高度な理論を学ぶことで、未来の探索者社会を牽引するリーダーの輩出を目指します。


 ■ カリキュラム概要


 本校のカリキュラムは、「一般教養科目」と、より実践的な「専門科目」の二本の柱で構成されています。


【一般教養科目】

 探索者としてだけでなく、一人の社会人として、世界で活躍するための最低限の知識と教養を身につけます。


 国語・現代文: ギルド公式報告書の読解、パーティ内での円滑なコミュニケーション術、依頼主への効果的なプレゼンテーション技法など。


 数学(魔導統計学): ドロップ確率論、期待値計算、ビルドのダメージ計算(DPS)における、数学的アプローチ。


 英語(国際公用語): グローバル化する探索者社会において、必須となるコミュニケーションツール。アジールでの円滑な交流を目指します。


 世界史(ダンジョン出現以前と以後): ダンジョン出現によって、世界の歴史とパワーバランスがどう変容したのかを学び、未来を予測する力を養います。


 魔素物理学基礎: スキルや魔法が、どのような物理法則に基づいて発現するのか。その根源的な理論を学びます。


【専門科目】

 各分野の、現役A級以上のプロフェッショナルを講師として招き、即戦力となるための実践的な技術と知識を学びます。


 戦闘理論


 クラス別戦闘教練: 戦士、盗賊、魔術師など、各クラスの専門家による、少人数制の実技指導。


 パーティ連携論: タンク、DPS、ヒーラー、サポーター。それぞれの役割を理解し、最高のシナジーを生み出すための、集団戦闘訓練。


 対モンスター戦術学: 各ダンジョンに出現する、モンスターの行動パターン、弱点、そしてギミックを、徹底的に分析・研究します。


 ダンジョンサバイバル


 トラップ回避術: 【皇帝の迷宮】を筆頭とする、悪意に満ちたトラップダンジョンを生き抜くための、実践的な回避テクニック。


 応急処置とポーション調合: ギルド認定のヒーラーと錬金術師による、専門的な救命・調合技術の習得。


 魔物解体学: 倒したモンスターから、より価値の高い素材を、効率的に剥ぎ取るための技術。


 食料確保術: ダンジョン内で、安全に食料と水を確保するための、サバイバル術。


 探索者経済学


 マーケット分析: SeekerNetの公式マーケットや、アメ横のような非公式市場のトレンドを読み解き、資産を効率的に増やすための、投資戦略。


 クラフト理論: 希少なオーブを、どのアイテムに、どのタイミングで使うべきか。その費用対効果を、徹底的に学びます。


 ギルド法務: 依頼の契約書、ドロップ品の所有権、パーティ内での金銭トラブルなど、探索者が直面する法的な問題を学び、自らの身を守る術を身につけます。


 ビルド構築論


 パッシブスキルツリー概論: 広大なスキルツリーの中から、自らのビルドに最適なルートを設計するための、理論と実践。


 スキルジェム・シナジー研究: スキルジェムとサポートジェムの、無限の組み合わせの中から、最強のコンボを生み出すための、ケーススタディ。


【学生生活と生活支援】

 本校は、全国、そして世界中から集まる才能ある若者たちが、安心して勉学と訓練に集中できる、最高の環境を提供することをお約束します。


 ■ 学生寮について(遠方の保護者の皆様へ)


 遠方からご子息、ご息女を送り出す保護者の皆様の、ご心配はごもっともです。本校では、生徒たちの安全と、健やかな生活を第一に考え、万全の生活支援体制を整えております。


 第一段階(開校初年度):

 まず開校初年度につきましては、学校に隣接する、A級探索者向けの**ビジネスホテルと提携し、その複数フロアを完全に借り上げ、臨時学生寮として運営いたします。**各部屋は、完全個室。24時間体制でギルドの警備スタッフが常駐し、入り口には厳重な魔力認証ゲートを設置。許可された生徒と職員以外は、一切立ち入ることができない、絶対的な安全空間を確保します。食事につきましても、ギルド所属の栄養管理士が監修した、バランスの取れた食事が、朝夕二食提供されます。


 第二段階(開校一年後):

 そして現在、**学校の敷地内に、最新鋭の設備を備えた、豪華な専用学生寮を建設中です。(寮建設は1年後になります)**完成の暁には、全ての生徒が、この新たな学び舎へと移ることになります。この新寮には、個室の学習スペース、24時間利用可能なトレーニングルーム、そして仲間たちと交流できる広大なラウンジなどが完備される予定です。我々は、生徒たちの生活の質こそが、その成長に直結すると、固く信じております。


 ■ 校則(一部抜粋)


 本校は、自由な校風を重んじます。ですが、それは無法地帯を意味するものではありません。全ての生徒が、互いに敬意を払い、安全で、そして充実した学園生活を送るための、最低限のルールが存在します。


 第一条(校内での戦闘行為の禁止)

 理由の如何を問わず、校内における生徒間の**無断私闘を固く禁ずる。**スキルを使用した訓練は、指定された訓練場においてのみ許可される。


 罰則: ランキングポイントの大幅な減点(-100ポイント)、および一週間のダンジョン進入禁止。特に悪質な場合は、退学処分もありうる。


 第二条(ミニオン及び召喚生物に関する規定)

 ネクロマンサー及びサモナーは、許可された実習エリア以外での、**ミニオンの具現化を禁ずる。**校内で、ゾンビやスケルトンを連れて歩くことは、他の生徒への精神的配慮に欠ける行為とみなす。


 罰則: 風紀委員による厳重注意、および奉仕活動(校内のスライム掃除など)。


 第三条(服装に関する規定)

 生徒は、本校指定の制服、あるいはギルドが認定した機能的な戦闘服を着用すること。著しく風紀を乱すような過度な露出や、威圧的なスパイクアーマーなどの着用は、これを認めない。


 ただし、個人のビルドコンセプトを表現するための、常識の範囲内でのカスタマイズは、これを許可する。


 第四条(学生内ランキングシステムに関する規定)

 本校の全ての生徒は、入学と同時に「学生内ランキングシステム」に登録される。ランキングは、ダンジョン攻略の実績、実技試験の成績、そして学内での貢献度などを総合的に評価し、毎週末に更新される。


 ランキング上位100名には、スターリング・フューチャー・ファンドより、月額100万円の奨学金が給付される。


 ただし、校則に著しく違反した者は、その行為に応じてランキングを5段階降格させるなどのペナルティが課せられる。ランキングは、ただ強いだけでは、維持できない。


 この学び舎から、次なる時代の英雄が、一人でも多く生まれることを、ギルド職員一同、心より願っております。

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