第210話
【SeekerNet 掲示板 - 日本サーバー】
スレッドタイトル:【祭りvs地獄】基金65兆円&月100万支給決定!もうめちゃくちゃだよこの国… Part.12
1: 名無しのE級ヒーラー
スレ立て乙。
いや、もうダメだ。頭が追い付かない。
昨日の夜からずっと『ライブ!ダンジョン24』の録画とギルドの公式発表を見返してるんだが、感情のジェットコースターが激しすぎて寝れなかった。
誰か、今の状況を分かりやすくまとめてくれ…。俺は夢でも見てるのか…?
2: 名無しのD級戦士
1
乙。俺もだ。
昨日の夜、あまりの衝撃に祝杯だー!って酒場でギルド仲間と叫んで、そのまま記憶がない。
起きたら財布が空になってた。だが、後悔はない。
歴史の目撃者になったんだからな、俺たちは。
3. 名無しの情報屋A級
1
新人、頭の整理を手伝ってやるよ。心して聞け。
まず前提として、我らが日本の光の英雄「雷帝」神宮寺猛様が設立した、F〜C級全員に100万円を無利子・無期限で貸し出す**『雷帝ファンド』**があった。これだけでも、国家予算レベルの革命だった。
そして昨日、立て続けに二つの神が、このテーブルに巨額のチップを投下した。
【第一の神槌:名もなき収穫者たち】
事象: SS級ハイスト専門家集団が、雷帝ファンドに10兆円を寄付。
結果: 雷帝ファンドの原資が55兆円から65兆円に増額。もはや意味不明。
備考: 寄付の際に「職場は、アットホームです」という、ユーモアなのか本気なのか全く分からない狂気のメッセージを残し、全世界の冒険者を困惑と笑いの渦に叩き込む。
【第二の神槌:イーサン・スターリング】
事象: シリコンバレーの雷神が、新たに**『スターリング・フューチャー・ファンド』**を設立。
内容: 日米冒険者高等学校の校内統一ランキング上位100名に対し、月額100万円を返済不要で給付。
備考: ランキングから落ちれば即給付停止という、完全実力主義。雷帝の「博愛」に対し、スターリングの「選別」という、あまりにも対照的な哲学を世界に叩きつけた。
まとめると、こうだ。
『雷帝と収穫者たちが敷いたレールの上を、スターリングが用意したF1マシンで走る権利を、若者たちが血で血を洗って奪い合う時代の幕開け』
…どうだ?分かりやすいだろ?
4: 名無しのF級スライムハンター
3
分かりやすすぎて、逆に震えが来た…。
な、なんだよそれ…。俺たち、一体どうなっちまうんだ…。
5: 名無しのラノベ主人公
3
最高のまとめ、乙。
つまり、こういうことだろ?
【雷帝ファンド】:全てのプレイヤーに配布される初期装備セット(ただし伝説級)。
【収穫者たちの寄付】:その初期装備セットに、なぜか神話級の武器が追加で入ってた。
【スターリング・ファンド】:ランキング上位者だけが受けられる、経験値100倍の祝福。
…完全にソシャゲのインフレ最終盤じゃねえか!胸が熱くなるな!
6: 名無しのC級(中卒・21歳)
5
笑い事じゃねえ。
俺、冒険者学校に願書出して、合格通知もらったばっかりなんだぞ。
ただでさえ、新しい環境でやっていけるか不安だったのに…。
なんだよ、ランキング上位100人って。
全国の、いやアメリカの天才たちも混ざってくるんだろ?
無理ゲーすぎるだろ…。
7: 名無しのD級スケルトンナイト
6
C級ニキ…。
でもよ、逆に考えろよ。
もし、もしその100人に入れたらどうなる?
月100万だぞ?返さなくていい金が、毎月だ。
年間1200万。それが3年間続くとしたら、3600万だ。
それだけの金があったら、どんな装備が買える?どんなスキルが揃えられる?
B級の壁どころか、A級、いやS級ですら夢じゃないかもしれない。
地獄のような競争の先に、天国へのチケットがぶら下がってるんだ。
やるしか、ねえだろ。
8: 名無しのE級ヒーラー
7
うう…。D級ナイトさんの言う通りかも…。
雷帝ファンドの100万円で、まずは最高のヒーラーになるための基礎を固める。
そして学校で必死に勉強して、実戦を積んで、ランキングを駆け上がる。
もしトップ100に入れたら、その資金でパーティメンバー全員の装備を最高のものに更新してあげるんだ…。
そしたら、誰も死なせなくて済むかもしれない…。
夢、あるなあ…。
9: 名無しの現実主義者
8
お花畑な夢を見てるところ悪いが、少しは現実を見ろ。
月100万ってことは、それだけの実力と結果を求められるってことだ。
スターリングは投資家だぞ。慈善家じゃねえ。
投資した分のリターンが見込めなけりゃ、あっさり切り捨てられるに決まってる。
「今月はランキング101位でした、てへ」じゃ済まされない。
それは、エリートとしての「死」を意味するんだ。
毎月、毎月、そのプレッシャーに耐えながら戦い続けられる奴が、一体何人いる?
10: 名無しのB級タンク
9
正論だな。
ランキングを維持するために、無茶なダンジョン攻略に挑む奴も出てくるだろう。
怪我や精神的な不調で、一気に転落する可能性もある。
一度掴んだ栄光を失う恐怖は、最初から何も持っていない者の比じゃない。
これは、若者たちを潰しかねない、あまりにも危険な劇薬だ。
11: 名無しのA級(通りすがり)
9 >>10
お前らの言うことも、一理ある。
だが、それがどうした?
そもそも、A級以上を目指すってのは、そういうプレッシャーを乗り越えていくことと同義だ。
俺たちの世界は、結果が全てだ。
その覚悟もねえ奴は、どのみちC級あたりで燻って終わる。
スターリングは、その現実を分かりやすい形で提示してくれただけだ。
むしろ、親切とすら言える。
12: 名無しのC級ヒーラー
でも、やっぱり怖いですよ…。
ランキングのせいで、友達同士で足の引っ張り合いになったりしないかな…。
パーティ内で、ギスギスしたり…。
13: 名無しのB級盗賊
12
なるだろうな。間違いなく。
特に、パーティ単位じゃなくて、個人単位のランキングになるらしいからな。
「あいつのせいで、今日のダンジョン攻略の評価が下がった」とか、そういう責任のなすりつけ合いは絶対に起こる。
地獄の始まりだ。
14: 名無しのラノベ主人公
13
いいじゃないか、地獄で!
友情!努力!裏切り!そして、勝利!
最高の学園バトルロワイヤルが始まるんだぞ!
もう、ワクワクしかしない!
俺、生徒会長に立候補するわ!そして、腐った学園のシステムを内側から変えてみせる!
15: 名無しのネクロマンサー
14
お前みたいな奴が、一番最初に謎の転校生に生徒会長の座を奪われるんだよ。
俺は風紀委員として、校内の治安を守る。スターリング・ファンドの資金で買った、最新鋭のゴーレムと共にな。
16: 名無しのラノベ主人公
15
お前は、そのゴーレムごと主人公にワンパンされる役回りだろ!
155: 元ギルドマン@戦士一筋
…少し、落ち着け、お前たち。
話が脱線しすぎている。一度、冷静にこの二つの巨大な流れの意味を考えるべきだ。
まず、収穫者たちの10兆円寄付。
これは、正直に言って理解の範疇を超えている。だが、彼らの「アットホームな職場」というメッセージには、一つの本質が隠されていると俺は見ている。
彼らは、孤独なんだ。
強くなりすぎたが故に、同じスリルを共有できる仲間がいない。
だから彼らは、未来の若者たちに呼びかけている。「早く、俺たちのいる場所まで上がってこい」と。
それは、純粋な後進への期待であり、新たな「家族」を求める、切実な叫びでもある。
決して、ただのユーモアではない。
156: ハクスラ廃人
155
ギルドの旦那の言う通りかもしれねえな。
奴らは、究極のハクスラをやり尽くした果てに、一緒に周回してくれるフレンドを探してるだけなのかもな。スケールがデカすぎるが。
そして、スターリング・ファンド。
これは、実に分かりやすい。
**「才能の可視化」と「市場原理の導入」**だ。
今までは、誰が本当に強い若者なのか、その才能は曖昧だった。だが、「ランキング」という絶対的な指標が生まれることで、才能は誰の目にも明らかな「数値」となる。
そして、その数値が高い者には、莫大なリターンが約束される。
これは、探索者の世界に、完全な実力主義の競争社会を導入するという、スターリングからの宣言だ。
もはや、ぬるま湯に浸かっている時間は終わりだ。
稼ぎたいなら、強くなりたいなら、ランキングを駆け上がれ。ただ、それだけだ。
俺は、このやり方を支持する。競争こそが、プレイヤーを最も効率的に成長させるんだからな。
170: ベテランシーカ―
165
ハクスラ廃人さんの意見は、強者の論理ですね。それもまた真理でしょう。
ですが、私は少し違う見方をしています。
この二つの基金は、対立するものではなく、相互に補完し合う、一つの巨大なシステムとして機能するのではないでしょうか。
雷帝と収穫者たちの基金が、セーフティネットとして全ての者に「挑戦権」を与える。
そして、スターリング・ファンドが、その中から抜け出した者に「勝利の報酬」を与える。
つまり、「最低保証」と「成功報酬」。
この二つが組み合わさることで、若者たちは安心して挑戦し、かつ、高みを目指すための強烈な動機を得ることができる。
これは、偶然の産物か、あるいは二人の巨人が示し合わせたのか…。いずれにせよ、あまりにも見事なエコシステム(生態系)が生まれようとしています。
171: 名無しのC級ヒーラー
170
ベテランシーカーさんの言葉で、なんだかすごく納得しました…。
そうか、私たちはまず、雷帝たちの基金に守られながら、安心して自分のペースで成長すればいいんだ。
そして、もし本当に才能があって、覚悟が決まったなら、スターリング・ファンドという天国への階段を、本気で目指せばいい。
どっちの道を選ぶかは、自分次第…。
172: 名無しのD級スケルトンナイト
171
そうだな…。
いきなりトップ100を目指すんじゃなくて、まずは雷帝の100万で、C級の俺がB級に上がるための、最高の準備をする。
地道に、一歩ずつ。
そして、いつかランキングの端っこにでも、自分の名前が載る日が来たら…。
その時が、本当の勝負の始まりだ。
そう考えると、なんだかすごく、やれる気がしてきた。
173: 元ギルドマン@戦士一筋
172
それでいい。それが、このシステムの正しい使い方だ。
決して、焦るな。だが、決して、歩みを止めるな。
お前たちの前には、二つの道が示された。
一つは、どこまでも続く、広く、そして穏やかな道。
もう一つは、天へと続く、険しく、そして輝かしい道。
どちらを選び、どう歩むかは、お前たち自身の「物語」だ。
我々大人は、ただその物語を、高みの見物させてもらうとしよう。
550: 名無しのA級(情報屋)
おい、お前ら!ちょっと、やべえ噂を聞きつけたんだが!
例の冒険者学校、日米共同設立って話だったろ?
その初代校長、誰がやるか知ってるか?
日本校の校長に、あの**“雷帝”神宮寺猛**が就任するって話が、今ギルドの上層部で最終調整に入ってるらしいぞ!
551: 名無しのラノベ主人公
550
はああああああああああああ!?
最強の英雄が、校長!?
そんなの、もう勝ったも同然じゃねえか!
552: 名無しのネクロマンサー
551
そして、アメリカ校の校長には、イーサン・スターリングが就任する、と。
そういう、シナリオか。
面白い。面白くなってきたじゃないか。
553: 名無しのF級スライムハンター
もう、何も考えられない。
ただ、分かる。
俺たちの未来は、とんでもないことになっちまう。
そして、それは、最高に楽しいことに、間違いねえ。
よし、決めた。
俺は、この祭りに、全身全霊で乗ってやる!
見てろよ、世界!俺たちの世代が、この狂った時代の、本当の主人公になってやる!
その日、日本の、いや世界の探索者コミュニティは、かつてないほどの熱狂と希望、そして健全な競争心に満ち溢れていた。
二人の英雄と、一団の狂気が灯した炎は、もはや誰にも消すことのできない巨大な燎原の火となって、新時代の始まりを告げていた。