第195話
【SeekerNet 掲示板】
スレッドタイトル:【神回】昨日のJOKERのテレビ取材、かっこよすぎなかったか?【名言連発】 Part.2
1: 名無しのC級ヒーラー
スレ立て乙。
いやー、昨日の『ライブ!ダンジョン24』、マジでヤバかった…。
録画したやつ、もう5回は見直しちまったよ。
正直、最初は「なんでJOKERさんがあんなチャラチャラした番組に…」って、少しだけがっかりしてたんだが、とんでもねえ。
あれは、伝説の始まりだったわ。
2: 名無しのD級タンク
1
分かる。めちゃくちゃ分かるぞ。
俺も、最初は半信半疑だった。どうせ、いつものように「…さあな」とか「…別に」とか言って、司会者を困らせるだけだろって。
だが、違った。
あの人、ちゃんと「語って」たよな。自分の言葉で。
3: 名無しのB級盗賊
ああ。特に、高島アナのあの核心を突く質問に対する返し。
あれは、痺れたぜ。
高島: 「JOKERさん、あなたのその圧倒的な強さの秘密は、一体どこにあるのでしょうか?やはり、あのユニークスキル【運命の天秤】の力なのですか?」
JOKER: 「…さあな。運が良いだけじゃ、勝てねえよ。この世界は」
高島: 「と、おっしゃいますと?」
JOKER: 「どんなに良い手札が配られたって、それを使いこなす腕がなけりゃ、意味がねえ。ギャンブルもダンジョンも、同じだ」
これだよ。
これこそが、俺たちが聞きたかった言葉だ。
運だけで成り上がった、ただのラッキーボーイじゃない。
彼の強さの根源には、確かな「哲学」がある。
今までと、見る目変わったわ。
4: 名無しのA級(通りすがり)
3
ふん。今更、気づいたのか。
俺は、最初から分かっていたがな。
彼の本当の恐ろしさは、そのプレイヤースキルや神がかったドロップ運じゃない。
あの絶対的な「自己肯定感」と、そこから生まれる揺るぎない「胆力」だ。
どんな絶望的なテーブルでも、彼は決して自分の勝利を疑わない。
なぜなら、彼は自分がこのゲームの「主人公」であることを知っているからだ。
あれは、もはやただのA級探索者ではない。
JOKERは、やっぱり別格だわ。間違いなく、将来のS級候補だよな。
5: 名無しのC級ヒーラー
4
ですよね!
私も、そう思います!
あの雷帝・神宮寺猛と並んで、スタジオに立っている姿。
何の遜色もなかった。
光の王と、闇の道化師。
二人の英雄が、同じ時代にいる。
俺たち、とんでもない時代に生きてるのかもしれねえな…。
6: 名無しのF級スライムハンター
すみません、横から…。
俺、昨日の放送を見て、どうしても皆に聞きたいことがあって。
JOKERさんが最後に言ってた、あの言葉。
俺、今までずっと自分のこと、モブキャラだと思ってたんですよ。
才能もない。金もない。毎日、F級ダンジョンでスライムの核を拾うだけの、しがない探索者。
この世界の巨大な物語の背景にいる、ただの名無しのNPC。
それが、自分だって。
でも、JOKERさんは言った。
「だから、自信を持て。お前らも、そうだ。みんな、自分の人生の主人公なんだ。そして、俺たちみてえな知性体のユニークな点は、恐れず前を向き、進み続ける事だ」
あの言葉を聞いた瞬間、なんだかよく分からないけど、涙が止まらなくなって。
こんな事、俺、考えた事もなかった。
自分は主人公なんかじゃないって、ずっと思ってたが、それが違う事を心で理解した。
そしたら、なんだかすごく楽になって。
不思議と、今日のダンジョンでもすごく落ち着いた気分になるわ。
スライムに囲まれても、「まあ、主人公の試練ってのはこんなもんだろ」って笑えてくる。
俺、おかしいですかね?
7: 名無しのD級スケルトンナイト
6
…おかしくねえよ。
おかしくねえ。
俺もだ。俺も、全く同じことを考えてた。
毎日、D級の墓地で骨と戯れるだけの日々。
B級に上がるための装備を買う金も、ねえ。
才能の限界も、見えてる。
もう、辞めようかと思ってた。
だが、昨日のあの言葉。
あれを聞いて、もう少しだけ足掻いてみようって思ったんだ。
俺のこのちっぽけな人生の主人公は、俺しかいねえんだからな。
8: 名無しのE級ヒーラー
6 >>7
私も…。
パーティの、お荷物になってるんじゃないかって、いつも不安だった。
私の回復が間に合わなくて、仲間が死んだらどうしようって、怖くて怖くて。
でも、JOKERさんは言った。
「敵を恐れても良い。だが、その恐怖に飲み込まれるな」って。
そうだよね。
怖いのは、当たり前なんだ。
大事なのは、その恐怖とどう向き合うかなんだよね。
私、もっと勉強する。もっと、上手くなる。
仲間の命を、絶対に守れる最高のヒーラーになってみせる。
9: 名無しのB級タンク
8
お前は、もう最高のヒーラーだよ。
いつも助かってる。ありがとうな。
…俺もだ。
JOKERの言葉は、響いた。
特に、これだ。
「観察しろ。敵の全てを、その動きの一瞬一瞬を、脳裏に焼き付けろ。それこそが、お前の生還に繋がる唯一の道だ」。
俺は、今までただがむしゃらに敵の攻撃を受け止めることしか考えてなかった。
だが、違うんだな。
本当のタンクとは、ただ硬いだけじゃない。
敵の全ての攻撃の「理」を理解し、その上でパーティ全体を守る、最高の「壁」になること。
それが、俺の目指すべき道なんだと気づかされた。
10: 名無しのF級スライムハンター
7 >>8 >>9
…よかった。
俺だけじゃなかったんだな。
なんだか、また泣けてきた。
ありがとう、JOKERさん。
ありがとう、みんな。
俺、明日もダンジョン頑張るわ。
スレッドの空気は、もはやただのJOKERへの賞賛ではなかった。
彼のたった一つの言葉が、この世界の名もなきその他大勢の探索者たちの心に、確かに火を灯していた。
それは、小さな、しかし無数に広がる希望の連鎖。
だが、その温かい空気の中で、いつものように冷や水を浴びせる声があった。
121: 名無しの現実主義者
…まあ、綺麗事言ってるだけだろ。
所詮、あいつは運が良かっただけの成り上がりだ。
【運命の天秤】なんていうチートスキルがなけりゃ、今頃F級で俺たちと同じように、スライムの核でも拾ってたに違いねえ。
122: 名無しのアンチ
121
それな。
「みんな主人公」?はっ、笑わせるぜ。
結局、この世界は生まれ持った才能と運で、全てが決まるんだよ。
あいつは、ただその両方に恵まれただけの特権階級だ。
俺たち、持たざる者の気持ちなんて分かりゃしねえよ。
そのあまりにも冷笑的で、そしてどこか寂しい声。
それに、スレッドの空気がわずかに凍りついた。
だが、その冷たい空気を力強く、そして温かい反論が断ち切った。
投稿主は、このスレッドの誰もがその名を知る、伝説のコテハンたちだった。
135: 元ギルドマン@戦士一筋
121 >>122
…お前たちは、まだ何も分かっていないらしいな。
確かに、彼の持つスキルは強力だ。彼の運は、異常と言ってもいい。
だがな、それだけでこのA級という魔境を、生き抜けると思うか?
彼の、あの【骸骨の百人隊長】戦を見たか?
あの【古竜マグマロス】との死闘を、忘れたか?
彼は、ただ運に任せているだけのプレイヤーではない。
彼は常に考え、分析し、そして自らの全ての知識と経験と、そして何よりもその決して折れることのない魂を、賭けて戦っている。
「観察しろ」という彼の言葉。
あれは、彼が血反吐を吐きながら、その身で学んできた哲学そのものだ。
その重みを理解できない者に、彼を語る資格はない。
142: ハクスラ廃人
135
ギルドの旦那の言う通りだぜ。
それにお前ら、一番大事なことを忘れてる。
昨日の放送で、JOKERが一番熱く、そして人間らしくなった瞬間が、いつだったか。
それは、雷帝・神宮寺猛の話になった時だ。
あいつは、言った。
「今の俺がいるのが、あの人の活躍のおかげだ」と。
分かるか?
あいつは、自分の成功を自分だけの力だとは、決して思っていない。
彼は、自分もまた誰かの希望の光に導かれてここにいる、ただの一人の挑戦者であることを、誰よりも理解しているんだ。
だからこそ、彼の言葉には重みがある。
だからこそ、俺たちの心に響くんだよ。
そのあまりにも熱く、そして的確な擁護。
それにアンチたちも、もはや言葉を失い、沈黙するしかなかった。
スレッドの空気は、再び温かい、そして力強い連帯感に包まれていく。
彼らは皆、気づいていた。
JOKERという一人の異端児の存在が、この停滞しかけていた探索者の世界に、新たな「物語」と、そして「希望」をもたらしてくれているという事実に。
彼の次なる一手が、この世界をどう変えていくのか。
その最高のショーの続きを、誰もが固唾を飲んで見守っていた。