表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/491

第187話

【SeekerNet 掲示板】


 スレッドタイトル:【朗報】ネクロマンサーの地位、明らかに上昇してないか? Part.3


 1: 名無しの骸骨使い

 スレ立ては初めてだが、どうしてもこの気持ちを共有したくてな。

 お前ら、最近明らかに風向き変わってきてないか?

 俺、万年ソロのB級ネクロなんだが、この一週間で3回もパーティに誘われたんだよ。しかも、そのうち2回は「タンク役が急遽来れなくなったんで、ゾンビ壁お願いできますか!?」ってヒーラーの女の子からだ。

 こんなこと、このクラスを始めてから5年間、一度もなかったんだが。


 2: 名無しのゾンビ愛好家


 1

 分かる。めちゃくちゃ分かるぞ。

 俺もだ。昨日、A級下位のアルテミス遺跡で狩りしてたら、リーダー格のイケメン剣士に「あなたのミニオンの操作、見事ですね。もしよろしければ、この後のボス戦手伝っていただけませんか?」ってスカウトされた。

 丁重にお断りしたけどな。俺は、ソロが好きだから。

 でも、純粋に嬉しかったわ。


 3: 名無しのリッチ志望

 だよな!

 今まで、俺たちネクロマンサーって言ったら何て言われてたよ?

「ゾンビの見た目がグロい」

「戦闘が地味」

「パーティのお荷物」

 散々な言われようだったじゃねえか。それが今じゃ、どうだ。

 ヒーラーの子に、「そのスケルトン可愛いですね!」とか言われるんだぞ?

 信じられるか?骨だぞ?


 4: 名無しのゴーレムマスター


 3

 wwwwwwwwww

 分かる。時代の変化を感じるよな。


 5: 名無しの骸骨使い


 2 >>3 >>4

 だよな!お前らもか!

 俺だけじゃなかったんだな…。

 まあ、PTは少し慣れてないからまだぎこちないんだが、昨日なんか戦闘後にみんなで酒場に行ってな。

 今まで、リアルで話す相手なんて同じネクロのフレンドくらいしかいなかったんだが、剣士の兄ちゃんや盗賊の姉さんと馬鹿話して笑い合った。

 …なんだろうな。純粋に、嬉しかったんだ。仲間ができたみたいで。

 これも全部、あの人のおかげだよな。

 JOKER様々だわ、本当に。


 6: 名無しのA級(通りすがり)

 まあ、当然の結果だろうな。


 7: 名無しのゾンビ愛好家


 6

 お、A級ニキ。


 8: 名無しのA級(通りすがり)


 5

 JOKERの功績は、確かに大きい。

 彼が、ネクロマンサーというクラスの「戦術的な面白さ」を世界に知らしめた。

 ただ死体を操るだけの不気味なクラスじゃない。

 戦場を俯瞰し、駒を動かす「指揮官」としてのクレバーな戦い方。

 それに、多くの若者が魅了された。

 彼のおかげで、ネクロマンサーの地位が向上し、パーティでの役割が見直されたのは紛れもない事実だ。

 まあ、ソロでも全く困らない職だけど、今まで俺たちに向けられてたあの嫌われぐあいは半端なかったもんな。

 ネクロマンサーの良さを分かる奴が増えるのは、純粋に嬉しいわ。


 9: 名無しのリッチ志望


 8

 本当にそう思う。

 今まで、ギルドの集会とか行っても肩身が狭かったもんなあ。

「うわ、ネクロだ…」みたいな目で見られて。


 10: 名無しのゴーレムマスター


 9

 それな!

 でもこの前、ギルドの新人歓迎会に顔出したら、ネクロ志望の若者が5人もいて、俺のところに質問攻めに来たぞ。

「先輩のゴーレム、どうやってそんなに硬くしてるんですか!?」って。

 あのキラキラした目。

 正直、少しだけ優越感に浸ってしまったぜ…。


 11: 名無しの骸骨使い


 10

 分かる!分かるぞ、その気持ち!

 後輩ができたんだよな、俺たちにも!


 12: 名無しの現実主義者

 …まあ、浮かれてるところ悪いが。

 その影響で、すでにF級の魔法装備が値上がりしてるらしいじゃん。

 特に、ESエナジーシールドが付いた初心者向けのローブとかワンドとかな。

 JOKERに憧れた新規が、こぞって買い漁ってるらしい。


 13: 名無しのリッチ志望


 12

 マジかよ…。

 いずれA級、S級までその波が来るのか…?

 他の職の装備ぐらい高くなるのは、正直いやだな…。


 14: 名無しのA級(通りすがり)


 13

 まあ、そこまでは行かんと思うがな。

 大体、他の職の0.8割ぐらいの価格で落ち着くんじゃないか。

 ネクロマンサーは、どうしても人を選ぶクラスだからな。

 最初の憧れだけで始めた連中の半分は、途中で脱落する。

 だが、まあ、装備の値段が上がるのは覚悟しとけ。

 後輩ができるっていうのは、そういうことだ。


 15: 名無しの骸骨使い


 14

 だよな…。

 まあ、後輩ができるのは嬉しいから我慢するけどさ…。

 俺もいつか、JOKERさんみたいに後輩から尊敬されるような、カッコいいネクロマンサーになりてえもんだ。


 16: 名無しのゾンビ愛好家


 15

 それな。

 JOKERさんは、ソロであの領域まで行ってるのが本当にヤバい。

 パーティ組まなくても、ソロでもいけるって彼が証明してくれたからな。

 いやなら、PT組まなければいい。

 その選択肢があるってだけで、俺たちの心はだいぶ軽くなったよ。


 17: 名無しのリッチ志望


 16

 まあでも、パーティ組むとリアル友達が増えるのは嬉しいけどな!

 今まで、ネクロマンサーの友達しかいなかったし(笑)


 18: 名無しのゴーレムマスター


 17

 wwwwwwww

 それは、ガチで分かる。


 19: 名無しの通りすがり

 しかし、JOKERの影響力は本当に凄まじいな。

 実際、彼が他の職業に手を出したら、それもまた一大ムーブメントになるんだろうな。


 20: 名無しのビルド考察好き


 19

 間違いない。

 特に、彼のユニークスキル【複数人の人生マルチアカウント】。

 あれが、どう化けるかだよな。

 正直、よくある外れスキル扱いだった。

【魂の水晶】っていうクソ高いアイテムを使わなきゃ、ビルドを増やせないっていうコストの重さでな。


 21: 名無しのハクスラ廃人


 20

 いや、それは少し違うな。

 あれは、ハズレ扱いっていうより「成金向け」スキルって言われてたんだよ。

 億単位の資産を持つトップランカーたちが、道楽で、あるいは特定の状況に対応するためにセカンド、サードビルドを用意しておくためのスキルだ。

 まあ実際、JOKERはその「成金」になっちまったわけだがな。

 自分の力で。


 22: 名無しのビルド考察好き


 21

 なるほどな…。

 そう考えると、あのスキルはワンチャンスあるな。

 JOKERの次の人生。

 一体、何を選ぶんだろうな。


 23: 名無しの弓使い

 あー、次はJOKER、盗賊でトーテムの亜種のバリスタビルドしないかな。

 あれ、設置型の固定砲台を何台も置いて、自分は安全な場所から敵がミンチになっていくのを眺めてるだけの、超楽しいビルドなんだぜ。

 JOKERのあのクレバーな戦術眼なら、最高の設置場所を見つけ出して、完璧なキルゾーンを作り上げると思うんだよな。

 強いんだぞ、あれも。


 24: 名無しの炎上愛好家


 23

 バリスタ?地味だな。

 俺は、もっと派手なのが見たいね。

 分かるだろ?

 ライチャスファイヤービルドだよ。

 自らの身を聖なる炎で焼き尽くしながら、その炎そのもので周囲の全てを浄化していく、あの狂気のビルド。

 JOKERのあのイカれたギャンブラー精神と、最高の相性だと思うんだがな。

 流行って欲しいわ、マジで。


 25: 名無しのハクスラ廃人


 24

 は?ライチャスファイヤーは、メジャースキルだろ。

 今更JOKERがやったところで、新鮮味も何もねえよ。

 もっとマイナーなスキルを持って来い。

 誰も見向きもしなかったようなクソみてえなスキルを、JOKERが神のビルドへと昇華させる。

 それが、見てえんだろうが俺たちは。


 26: 名無しのビルド考察好き


 25

 分かる。

 じゃあ、ゾンビ落下スキルとかどうだ?


 27: 名無しの弓使い


 26

 誰が使うんだ、あんなクソスキル。


 28: 名無しの炎上愛好家


 26

 分かる、ネタスキルだよな流石に。

 上からゾンビが降ってくるだけだろ?

 何の役に立つんだよ、それ。


 29: 名無しのハクスラ廃人


 26

 いや、待てよ。

 意外と、面白いかもしれんぞ。

 例えば、その落下ダメージを何らかの手段で爆発ダメージに変換できたらどうだ?

 空から、無数のゾンビ爆弾が降り注ぐ。

 まさに、絨毯爆撃じゃねえか。


 30: 名無しの通りすがり


 29

 お前、天才かよ…。


 31: 名無しのリッチ志望


 29

 その発想は、なかったわ…。

 もはやネクロマンサーじゃなくて、爆撃機じゃねえか…。


 スレッドは、もはや「ネクロマンサーの地位向上」という本来のテーマから、完全に脱線していた。

 そこは、ただのJOKERという一人の男の未来を勝手に想像し、そして熱狂する最高のエンターテイメントの空間と化していた。

 その熱狂の中心にいる張本人、当のJOKER本人はその頃、自室のベッドの上で熟睡していた。

 彼の次なる「人生」の夢を見ているのか、いないのか。

 それは、まだ誰にも分からない。

 ただ、確かなことは一つだけ。

 彼が次に目覚めた時、この世界はまた少しだけ変わっているということだ。

 彼という、イレギュラーの存在によって。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ