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6月23日

法月綸太郎「キングを探せ」読了。


法月綸太郎といえば綺羅星のごとく俊英を輩した京大ミステリ研究会の出身。かつての新本格ミステリブームの一翼を担った作家である。僕は割とミステリ好きなのだけど、生憎、彼の小説は読んだことがなかった。僕はどちらかといえば当時の最新作を読み漁っていたタイプで、メフィスト賞の受賞作などは欠かさず読んでいた。なので当時からしても一時代前だった新本格ミステリにはほとんど手を出したことがなかった。かの有名な綾辻行人の館シリーズにしても「十角館の殺人」以外未読だし、島田荘司の「占星術殺人事件」のトリックも金田一少年で知ったくらいだ。要するににわかである。


さて、今回読んだ「キングを探せ」だが…、うん、面白かった。文章は軽く読みやすいしトリックは単純にして推察することは難しく、僕は完全に引っかかってしまった。なのに、どことなく物足りなさはなんなのだろう?


小説の冒頭に書かれていることだから明かしてしまうが、この小説は四人の仲間による代行殺人の物語である。仲間はそれぞれ殺人のターゲットを表すトランプのカードを渡され、そのカードを巡るトリックがミステリとしての肝となる。


だけど、そのトリックが提示されるのがあまりにも遅すぎるのだ。物語の九割で登場人物は「読者には既に答えの提示されている謎」について議論し、読者にとって興味のあるトリックは残りの30ページで登場する。この書評を読んだ人ならきっと誰もが思ったであろう。「本の内容と全く関係のない第一段落が一番、分量多いじゃん!」という感想。それが僕がこの本に抱いた感想である。

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