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6月22日
明石散人「鳥玄坊 ゼロから零へ」
読了。
一番、最初に思ったことは「あれ?こんな話だったっけ?」だった。僕の読んだノベルス版とは違う気がする。それとも僕の記憶違いか?
話の内容は相変わらずよく分からない。第一部を読んだときは全く違う解釈をしていた。その解釈はその解釈で美しかった気もするけど違ったっぽい。もしかしたら十牛図的なことなのかもしれない。でも十牛図をネットで検索すると、なんだか違う気がする。アイデンティティだの内面世界の拡張だの、なんかそれっぽい言葉は浮かぶものの的を射た言葉は思い浮かばない。面白くないことはない。むしろ面白い。でもなんだか、空飛ぶ鳥の幻想を見た気がしたんだ、大昔。
ハードカバー版鳥玄坊を三冊並べると、本の小口に五爪の龍が浮かび上がる。インク色したこの龍は本来の色を失ってなお鳥玄坊の世界を護り続けている。