6月3日③
雨上がりの空を鳥が飛んでいました。
「鶏肉を食べたことのないものは、空腹時に空飛ぶ鳥を見ても食べたいと思わない」と言うセリフは誰の言葉でしたっけ?忘れてしまいました。僕は鶏肉大好きですけど、空飛ぶ鳥を見ても食欲はわきませんでした。有名ですけどあんまり当てになる名言ではなかったようです。
似たようなことはよくありますよね。
たとえば僕が暮らす町では音で不満を表します。バーンって大きな音を立てたりします。僕は余所者なので最初はこの流儀に気づかず「なんかすごい音たてる人いるなあ」くらいだったのですが、生活するうちに気づきました。バーンと鳴る音は「俺には不満がある!」というプロトコルなのだということに。僕は通信路異常みたいな顔して静かにやり過ごしてます。
ですが、いまいち受け付けないのは、この逆のパターンです。僕がたまたま立ててしまった音が不満の表明みたいになってしまったとき。僕はよっぽど腹が立ってる時でない限り、わざわざそんなことしません。たまにやり返すことはありますが、せいぜいそれくらいです。
それこそ「鶏肉を食べたことのない者は~」の理屈です。そういう文化で育ってない僕には、そもそもそんな選択肢がありません。ぶっちゃけそんなことする方がめんどくさい、直接話した方が早いだろって思ってます。
ですが鶏肉を食べたことのある人からしたらプロトコル通りに受け取ってしまうわけで。もしこれが電気回線の話であればさっさと入れ替えてしまえばいいのですが、人間関係においてはそう簡単にうまくいきません。