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5月30日③

ユーチューブを見ていたら女王の教室の名場面として「人を殺しちゃいけない理由」という動画が流れてきました。


内容はいじめっ子が教師に「どうして人を殺しちゃいけないのか」を語るシーンでした。


僕にも殺したい人たちがいますが、まったく身に沁みませんでした。だっていじめっ子が人を殺そうとするのと、いじめられっ子が人を殺そうとするのではまったく話が違いませんか?


愉悦のために人を殺すか、自分の生存のために人を殺すかの違いです。どうして自分の命の危機にあって他人の命を優先しなければいけないのか?能面みたいな怒り顔で語る女優は答えを返してくれませんでした。



僕に殺されそうになったとき、その人たちはきっとこう言うでしょう。「お前がそこまで追い詰められてるなんて知らなかったんだ」

知らなかったのならどうして他人の口車に乗って嫌がらせに走ったんだ?知らなかったのならどうして知ろうとしなかったんだ?


知らない知らない、聞いたんだ!全部お前が悪いんだ!こいつは悪いやつだから「教育」してやらなきゃいけないんだって!


ああ、そう。どこが悪かったのか聞きたいけど、どうせお前は何も答えられないんだろ?だって何も知らないんだから。


事情を知らなければ最後の悪あがきさえできませんね、可哀想に。



普通にしてれば少なくとも誰かが誰かを殺すなんて発想に至るわけがないんです。上述の愉快犯みたいなやつ以外は。

問題があったら悪いほうがきちんと謝ればそれで済む話なんです。それで「自分にも悪いとこありました、すいません」ってやればそれで解決のはずなんです。普通のことを普通にしてれば殺すなんてことにはならないんです。


ですがね、まあ、面白いですよね。事ここに至っても彼らのこちらのミスを誘発しようとする行動は続いているわけです。一義的には僕のミスなので特に騒ぎ立てたりしませんが。


たとえばバーコード付きの品物をそれと告げずに僕に渡してくるとかね。気づかない僕が悪いんですが心にしこりは残りますよね。


たとえば持ち出し忘れのバーコード付きの品物の上に、次の品物をほんの少しだけ重ねておくとかね。

帰ってきたとき不思議だったんですよね。なんでこんな半端な仕事してあるんだろうって。翌日、バーコード付きの品物の紛失があったと聞いて合点がいきました。ああ、なるほど。僕が気づきにくくするために品物を重ねたんですね。そういえば、あの日でしたね。班長が「嫌いになったんだ」とか聞こえよがしに言ってたのは。なんか色んなことが繋がってきてすごく嫌な気分になりますよね。持ち出し忘れた自分が悪い。それが当然なんですが、なんかすごく嫌な気分になりますよね。


そんな事される僕が悪い?そうですかね?事ここに至るまでの経緯を辿ってそんなふうにはとても思えませんが。


相手にバレなきゃいいや、気づかなけりゃいいや、証拠さえ残らなきゃいいや。


そんな奴に「あら、そう。じゃあお前が死ねばいいんじゃね?」と返して何が悪いのか、ユーチューブ君は僕に答えてくれません。

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