依頼を受ける
一旦戻りそのまま冒険者ギルドまで向かう。このゲームにはギルドと呼ばれる施設が存在し〇〇ギルドというように用途によって様々なギルドが存在する。その中で全プレイヤーが使えるギルドが冒険者ギルドだ。街の困りごとから個人的な依頼まで様々な依頼を扱っている。
「こんにちは、何が御用ですか」
「受けられる依頼はありますか」
受付のNPCにそう言われてきた内容を伝えると「今受けられる依頼はこちらになります」と一覧を見せてくれた。その中で俺が一通り見た後に依頼を選んで提出した。
依頼:荷物の配達
内容:住民の荷物の配達を5個達成すること
期限:なし
報酬:200ガルド
これを選んだちなみにガルドはこの世界の通貨だ。選んだ理由は単純で街を見て回るからだ。この依頼街を四方八方歩き回ることになるらしい。期限もないしゆっくり見て回ろう。
ギルドの建物を出ると待っていたゴウカが出迎えてくれた。周りのプレイヤーはどうもゴウカを珍しがって見ているのが分かる。まあ、いきなりドラゴンを仲間にしているプレイヤーがいたなら見るよな。文句や罵倒などはないのでそのまま荷物を待っている住民の元まで歩いて向かった。
まずは、北方面から向かう。町並みは綺麗なのだが道々に露店を開いているプレイヤーとNPCの露店などが並んでいてバザーのようになっていた。ゴウカはその光景に周りを観ながら驚いていた。何か美味しい物でもあるかなと露店を見て観ると肉串が売っている店があるのでそれを買ってゴウカに渡してみる。
「おいしいか」
「グァ!」
美味しいらしい。うまかったのか上機嫌になりさっきまでの疲れが吹き飛んでいた。それにしても空腹度というものは今までの作品になかった昨日なので近いうちに調査しないといけないだろうな。数十分後、最初の配達場所にたどり着いた。
「すいません」
ドアをノックすると少し経ってから60歳近い老人が出てきた。杖を突いているお爺さんは俺の恰好から冒険者と言う事を理解して俺が来た要を聞いて来た。
「おや?何か要なね?」
「ギルドの依頼でこちらの荷物を届けに来ました」
アイテム覧の届け物と書かれている物をタッチすると荷物が出てくる。それをお爺さんに手渡す。それを聞いてお爺さんは荷物を受け取りお礼を言ってくれた。
「おお~ありがたい。足が不自由でな~違う街に住んでいる息子の荷物を受け取りに行けなかったんだ」
そう言うと依頼欄に達成一と出た。これを後4回行うことになるのだろう。ギルドって他の街の荷物とかも受け取ったりしているんだな。前までだと他の街に自分の荷物があっても仕様だからと思っていたがVRMMOになってそんな感じに修正したのかな。
お爺さんに一礼し他の場所得向かう。今度は中央から東側に向かう。どこに行ってもプレイヤーがいて賑わっているが今回の依頼場所はちょっと複雑な小道を曲がりながらの場所にあり街のマップが細かく表示できるようになった。
というか迷いそうだ。大きい街だとは思ったけど細かい場所になると同じ道が多すぎてマップを見ないとマジで迷う。二つ目の配達を終えて次は南に向かう。
南側は北のバザーとは違い立派な建物の店が並んでいた。ボスを倒す時に駆け抜けたせいで全然見て回れていないのだ。武器に防具、アイテム、料理も売っている店がいくつもある。プレイヤーが店から出てきて新しい武具を自慢ているのが見えた。そんな中で配達場所を判明した。一つの宿だった。
「いらっしゃいませ!泊ですか?それとも食事ですか?」
「いえ、ギルドの依頼出来ました」
ウェイトレスにそう言われて 配達物について話荷物を渡す。お礼の言葉と一礼する相手にこちらも一礼してしまいそのまま宿を去った。
次に西側を向かう。こっち側は農産物が多く畑が多く広がっていた。その中の一つの家に同じように荷物を渡すお礼を言われ俺はそのままその場を去るのだが
「・・・・・まってこの最後の荷物の場所どこた?」
「グァ?」
そうなのだ5の荷物の最後だけよくよく見ると「ルイン宝石店」と書かれているのだ。つまるところ
「最後の場所は自分で探せってことか」
そう言えば店の名前とか看板に書かれていたしよく見ればわかるのかもしれない。そんなこんなで南側に戻って一店一店看板を見て回るのだが
「・・・ここではないのか」
1時間かけて大通りの店を回ったのだがルイン宝石店は何処にもなかった。裏道などもなかったしこの区画ではないのだろう。次に怪しいのは細かな道があった東側に向かう。細かな道をウネウネいきながら店を探すが1時間半ぐらいかけて観たがここにもない。空はすでに夕暮れで夜になりかけている。次に北側だ。
「ここになかったら西だけどあっちはほとんど農業関係ぽいしここにあるといいんだけど」
そんな感じでバザーを観ながら探す。店ではあると思うがNPCのバザーには名前もあるので見逃さないようにしていた時だった。
「グァ!!」
「どうしたゴウカ」
ゴウカは俺に何かを伝えるために飛行してその場所まで飛んで行った。そのまま飛んで行った所に向かうと一つのバザーの露店だたそこには色とりどりの装飾品が飾ってあり鮮やかだった。そんな店をゴウカは案内してもらいこれを見てと指さした方を見ると
『ルイン宝石露店』
と書かれているのだった。
「いらっしゃい兄さん。おひとつどうだい」
そう声を掛けてくるNPCの店員に俺は質問した。
「すいません。俺はギルドの依頼でルイン宝石店に荷物を届けたいのですがこの店はその店の系列店だったりしますか?」
「荷物を?・・・ああ、そう言えば親方が何か頼んでいたっけ」
聞き方があってるかは分からなかったのだがこちらの意図を理解してくれた店員は紙に何かを書き俺に手渡してくれた。
「ここに書かれているのが店の場所だぜ。親方はいつも店にいるから行ってみな」
手渡された紙を受け取るとマップにポイントが表示された。
「お手柄だなゴウカ」
「グァ」
胸を張るゴウカの頭を撫でてあげて俺は表示された場所に向かった。