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進んでみよう

 ログインした俺は最初にスミンに水やりをし始めた。ゲーム内で二日は放置していることになっているが問題なさそうだ。それどころか周りに植えた種は小さな葉をつけているのが分かる。育ってくれてうれしい限りだ。一通りの掲示板を見て観ると平原のボスを攻略したことが書かれていた。これが早いのかどうかは正直よくわからないがMMOをやっている人ならわかるんだろうか?


 そんな情報は置いといて今日やることは始まりの街のNPCに変化があったかを見る事だ。NPCから依頼が来る事が分かったので目ぼしい店を回ってみようと思い当たったのだ。


 「よ~し行くぞゴウカ」

 「グァ!」

 「行ってくるねスミン」


 そう言って俺は駆けだした。花屋は何もなかった。前に依頼が来たからまたあるかなと思ったのに何もなし!次に本屋だがこっちも何もなし花の本のことを聞いても花の名前が分かるようになるホントの事だった特に変化なし!宿も特になんもなく農家に行ったが俺が畑を買ったことをしり頑張りなよと応援されました。


 「・・・最後はルイン宝石店だけど」


 ここまで何もないと何か条件を満たさないといけないのかと思ってしまう。絶対に何もないと言う事はないはずだ・・・ないはずだよね?

 若干不安になりながら店に向かうが凄い数のプレイヤーが店の前にいたのだ。驚きながらも自分が店の事を情報として売ったのでいつかはこうなるだろう~と思ってわいたが早いなこれがMMOプレイヤーというものなのか。

 人の波を越えて店に入ろうとする。ここにいるプレイヤー達はどうも仲間の買い物を待っているだけなようなのでちゃっちゃとはいる。


 「あれ?」


 入ったのはいいがそこには俺以外のプレイヤーはいなかった。プレイヤーごとに分けているのだろうか?分からない事は多いが話を聞かれる心配がないのはありがたい事だ。


 「いらっしゃい、あんたか」

 「こんにちは、アンバさん」


 どうやら向こうは俺の事を覚えてくれているようなので何か手伝えることがないか聞いてみると他のNPCとは違う反応を示してくれた。


 「そう言えばあんた洞窟を越えて向こうの村まで行ったんだよな」

 「はい、まだ見て回ってませんが行けますよ」

 「それなら一つ頼まれてくれないか」


 お!これは洞窟を越えたことでフラグが立った!内容は単純なもので荷物の配達だ。

  

 「これを鍛冶師のダンテと言う奴に渡してほしいんだ。頼めるか?」

 「いいですよ。すぐに行ってきます!」

 「ああ、それと」

 

 依頼を受けてそのまま行こうとした時だった。アンバさんは何か言いかけていた。


 「・・・それを渡したら出来ればダンテの力になってやってくれないか。お前の力ならあいつの悩みも解けるかもしれねえ」


 ふむ?ダンテという人を助けてあげればいいのかな?どうもボスを倒した俺ならばなんとかできる物なのか?


 「わかりました。出来るだけ力になってみます」

 「ああ、頼んだソラウミ」


 そう言って俺はその場を後にするのだった。


 

 南の村にはマップからすぐに行けるのでそのまま瞬時に行くことが出来る。最初の時から来なかった南の村何というか・・・寂しい村という感想だ。岩で出来た家は丈夫そうで立派なのだが寂しいというのは始まりの街みたいに活気があるようには見えなかったからだ。


 「まあ、街と村じゃあ違うのかもな」

 「グァ」


 取り合えず村を一周するある施設は冒険者ギルド、道具屋、鍛冶屋に民家と言った感じの小さい村で大体百人ぐらいの規模だと思われる。アンバさんに頼まれていた荷物を渡す為鍛冶屋に向かい扉を開ける。

 

 「こんにちは~」

 「グァ~」


 一緒に挨拶をして店内に入るのだが立派な剣が並んでいる。ファンタジーゲームで出てくるザ鍛冶屋と言ったおもむきだった。


 「ああ・・・いらっしゃい」


 やる気のない声を出し出迎えたのはアンバさんと一緒の黒い肌に屈強な姿の40代ぐらいのドワーフだった。


 「えっと貴方がダンテさんで会ってますか?」

 「俺の名前をどこで知った」


 ぎろりと睨まれてしまったがお爺ちゃんの圧につらべれば何のこともない。


 「スペクトルにいる宝石店のアンバさんからお荷物を受け取っています。こちらをどうぞ」


 そう言って荷物をカウンターに置く。ダンテは少し驚いていた。


 「お前さん洞窟を越えて来たのか」

 「はい、それでアンバさんにこの荷物と貴方の力になって欲しいと言われました」

 「あの野郎・・・いらないお節介を」


 超えて来たことを即答しきた経緯を話す。アンバさんに対して怒っているわけではなさそうだがそれを聞いて少し考えた後にため息交じりに話始めた。


 「この村はな以前まで鉱山のおかげで活気に満ちた村だったんだ。だが少し前から鉱石がほとんど取れなくなってしまったんだ」

 「取れなくなったって全然取れないってことですか?」

 「いや、少しは取れるが前と比べれば8割近く減った」


 それは一大事ではないのか。いきなりそんなことが起きたら生活に困るだろう。


 「冒険者ギルドで依頼を出したりは?」

 「ここの冒険者は鉱山に行くための道でモンスターに襲われないための護衛みたいなもんで鉱山の中に入いって原因を調べるほど強くはねえんだ。俺達も深くまでは潜らないしな」


 ここの冒険者ではどうにもできない。と言う事は


 「お前さんは洞窟を越えて来たんだろ?相当強いと見える。どうか鉱山の異変を解決してくれねえか」


 『依頼:鉱山の謎が追加しました』


 依頼:鉱山の謎

 期限:なし

 報酬1万  風結晶、土結晶、水結晶、火結晶の中から一つ


 おお、アナウンスが聞こえた。それに見たこともないアイテムが貰えるとこれはやるしかないな。


 「わかりました。その依頼を受けます。必ず異変を解決してみせます」

 「ああ、期待してるぜ。こいつは鉱山の奥に入るための鍵だ。持って行きな」


 そう言って鉱山の鍵が貴重品の一覧に追加された。俺はそのまま店を出てすぐに鉱山に向かった。

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