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君は確かにそこにいた  作者: 枝野豆夫
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終わりと始まり

俺、東湊には少し前まで彼女がいた

俺には出来すぎた彼女だったと思う

付き合ったのは中学の終わりの頃だったけど

それから1年間喧嘩もせずにずっと仲良しだった

多分学年公認のバカップルだったと思う

高校卒業したら結婚しようとも言っていた

もちろんお互いの親には挨拶していた

というか親も喜んでいた

彼女はとても頭がよく掃除や料理もできた

面倒見も良く、困っている人がいたら助ける

そんな聖人のような人だった

何回も俺は前世でどんないいことをしたのか考えた

俺は人生で使える運は決まっていると思う

幸運もそう長くは続かなかった

彼女が交通事故にあった

この世からいなくなった

相手はトラック

飲酒運転だったらしい

そこに前日降った雪が重なり

ということらしい

あれから2年たった今でもはっきり思い出せる

毎週休みの日はずっとどっちかの家にいたが、彼女の誕生日が近いのでその日は予定があると言って

一人でプレゼントを買いに行った

彼女と一緒に居られないのは寂しいし心が痛かったがそれを上回るくらい彼女が喜ぶものを探そうとしていた

あれじゃない、これじゃない、考えていた

時間が時間なので次のお店で最後にすることにした

他のお店で何個か候補を出していてここに良いものがなかったらその候補から選ぼうとしていた

その時

突然相手の親から電話がかかってきた

週末俺と彼女が一緒にいないときは喧嘩でもしたの?相談乗ろうか?と電話で聞いてきてくれる

なのでいつも用事があって〜と説明すると良かったと安心する

今回もそういう電話かなーと思って出る

相手の親が泣いている

え?

なんで?

どうしたんだろう

そう思い声にだす


「どうしたんですか?」


そうするとこう返ってきた


「紬が、紬が」


紬がどうしたんだろう

いや、多分聞かなくてもわかってた

でも聞いてそれを真実にするのが嫌だった


「交通事故にあって」


そのあとの言葉はよく聞こえなかった

俺が最後に聞いたのは


「お客様、お客様、しっかりしてくだ、、」


目が覚めると知らない真っ白い天井

体を起き上がらすと泣いている両親と妹

あぁどうしたんだろう

その時は本気でそう思った

すべてが夢ならいいと

でも母から出た言葉は


「紬ちゃんのことだけど」


親も言いづらそうに下を向いていた言葉も所々詰まっている

それ以上言わないでそれ以上言わないでそれ以上言わないでそれ以上言わないでそれ以上言わないで

という言葉が全身を駆け巡った

だけど口からは出なかった

その後は色々説明された

相手が飲酒運転していたこと

雪で道が滑っていたこと

裁判の話

そして

紬がどこかにでかけていたこと

一週間後はクリスマスだった







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― 新着の感想 ―
[良い点] ブクマさせていただきました! 今後の展開が気になる終わり方で良かったです [一言] 応援しています!
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