表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

2話 圕

なんと評価を下さった方がいるようで、ありがとうございます!!

 これから、頑張っていきたいと思います!

 

 ナイル、僕の能力は確かに第三者から見れば、戦闘上貢献していないように見えるだろう。しかしそれこそが、僕が勇者パーティに選ばれたあの日の朝、神様からもらった、(としょかん)の力の全てである。  


 僕の圕には、大きく、二つの能力がある。



 一つは、『保管庫』


 

 この力は、文字通りいろいろなものを保管できる、という能力だ。実際、旅の間は物持ちとして馬車馬のようにたくさんのものを持たされた。しかし、僕がそれを受け入れ続けたのも、能力者にはいくらものを持ったとしても負担が無い。という常軌を逸した利便さからである。   








 そして、二つ目は、『改訂』


 

 この力も文字の通り、いろいろなものを修復できる、という能力で、主に戦闘面で使用することが多かった。例えば、仲間が思わぬ強撃を喰らったことで、瀕死となったとしよう、そんな時この能力を使えば、攻撃力上昇に、防御力上昇、守備壁生成や、瞬間治癒など、さまざまなバフ効果を与える、という能力である。





 この能力の強いところは、その即効性にある。通常、魔法使用には自身の魔力のとおる魔力管から、外に出すために、『詠唱』が必要となるのだが、この能力は、『無詠唱』で、一度に多様な魔法を付与することができるのだ。

 


 今までだって、たくさんそれであいつらを助けてきたつもりだ。それに、あいつらに、一度能力を全て話したのだ。そこは理解してくれているはずである。






 となると、やはり、()()()()()()()()()………



 この能力、一見すると無限に物を収納できるし、魔法を覚えてしまえば、無詠唱で多数の魔法を使用し続けられるし、戦場では、まさに救世主だろう。




 だが、もちろんこんなチートじみた能力には、利便性の裏に不自由がある。それが、僕の称号『物語の紡ぎ手』である。




 通常、魔法の多数無詠唱には相当の魔力と精神力が必要となるが、それを大幅に激減してくれるのが、この称号のユニークタレントである。  






 一方で、今回の騒動を引き起こしたのかもしれない原因も、この称号なのである。デメリットは、たったの一つで、『物語の紡ぎ手なるもの、人のストーリーに関わるべからず』 というものであり、これは簡潔に言えば、『他人の戦闘に加わることはできない』という枷である。



 


 そう、この能力を使用する場合、僕は、魔物にいかなる手段であっても、指一本攻撃することはできないのである。あくまで紡ぎ手は物語の補佐をする者で、そこに関わることは許されない。ゆえに、この能力を使用する限り、パーティを組んでいる以上僕は戦闘に関わることは不可能なのであった。  


 


 それは、最初に言われたし、あいつらにも天啓のあったその日に伝えたんだが、もしや聞こえていなかったのだろうか? あいつら、勇者パーティに選ばれて、天狗になってたからな。それも仕方のないこと。


 


 そんなたらればのストーリーを話しても、パーティにいた頃にはもう戻れないのだ。


 


 戯言を呟きながら、僕は日の落ち始めた草原を彷徨するのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] google検索したけど出挙がふさわしいのかどうかがわからない。 [一言] 主人公の能力や誤解された理由が明らかになって今後が楽しみ。追放した勇者パーティは「勇者の物語」にはふさわしく…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ