80-なにこれ、黄色い光
力が湧く。
なんで?
「私の美しい魔法でロロをスーパーな猫にしてあげるよん」
セリーヌの強化魔法らしい。これはすごいね。
「私は後方支援をっ!」
言うなり、ミフリスがベネルにも負けないような無数の魔法の玉をベネルにむかって放つ。
「ロロっ!!」
俺がその魔法に乗じてベネルに近付き、ミラの魔法で髭を伸ばす。
そしてそのまま、ベネルの横を通り過ぎた。
「どうだ!?」
「なにかな?」
あれ?今確かに攻撃できたよね?
「その程度の魔法で勝とうっていうのかい?魔王を舐めすぎだね」
まじっすか。
確かに伸びた髭がベネルを貫通したはず・・・。感触もあったし。
「もう一回!」
「リアルナイトメア!!」
セリーヌの魔法で絶対に当たるハズ・・・!
「だから、遊びならもうやめにしよう」
うそでしょ。
ここまで実力差があるとか反則でしょ。
「ふんっ!」
ベネルは魔法の剣を作り、一瞬で俺の目の前へ現れ、そして俺を薙ぎ払った。
「うにゃ!!!」
広い部屋の壁まで飛ばされる。
「私の結界で防げない・・・?」
ミラが瞬時に結界を張ってくれていたらしい。
おかげで死なずにすんだ。
「こんなもんか」
ダメだね・・・。
ベネルが強いのはわかってたけどさ、ここまでってのはないよ。
ハァ、奇跡でも起きないかなぁ。
「ロロ諦めちゃだめだよ!」
ミラが俺に駆け寄る。
回復魔法で俺の傷を癒し、青い炎でベネルに牽制する。
「私は負けたくないよ!」
俺だって負けるのは嫌だし。
でもさ、でもさ、どうやって挽回するの?
圧倒的すぎるじゃん。
『せ・・・を・・・・・・せよ』
ん?
なに?
『世界を・・・変革・・・せよ』
頭の中に響く声。
『勇者よ、世界を変革せよ!』
突如、黄色い光が俺を包み込んだ。
「なんだ?」
ベネルが目を細める。
俺だってなんなのかわかんないし。
『自分の道を信じろ。勇者の道がいつも一本道とは限らない』
あ、思い出した。
あの盗賊の時の黄色いドラゴンの声だ。
「まさか、黄竜の力!?」
え、なにそれ。
「最初の勇者、ヤスオが作り出したと言われている最大のイレギュラー的な存在」
「作り出した?」
「以降の勇者には力も貸さず、静かにしていると聞いていたんだけどね・・・」
よくわかんないけど、わかんないままでもよくなってきたし。
『魔王を倒すことが全てではない。お前のやり方を示してみせろ』
ものすっごい力が湧いてきたんですけど。
「にゃ!!」
さっきの一発の何倍にも魔力が凝縮された光の玉を百個以上つくり出す。
「おやおや、これはいい勝負になりそうだね」
笑ってられるのも今のうちかもね、ベネル!!
最初の勇者の名前をヤスオにしたことに本当に後悔してます・・・。外人の名前つければよかった・・・w
力を手に入れたロロがどういう答えを見つけるのか、次回必見ですよっ!!