76-なにこれ、青い炎
「なんと・・・」
女王は動揺を隠し切れないでいた。
いや、ふつーは死ぬでしょ。
「女王様、私は妖精族です」
「私もそうです」
「妖精族としての誇りがあります」
「私にだってあります」
「魔王の手先になることのどこに、誇りがあるというのですか!?」
さすがに怒ってるなぁ。
「何もわかっていないようですねミラ。妖精族だって、魔王が生みし種族なのですよ?」
「ちがうっ!」
「違いません」
「それでも、私はロロを討つことなんてできない!」
ミラの口調が荒くなる。
確かに、妖精族ってどういう立ち位置なのか微妙だよね。
人間を襲うわけじゃないけど、人間じゃないし。
「ならば、私を倒してみなさい!」
「言われなくても・・・そうするわよっ!!」
ミラが手を振りかざし、魔力を込める。
「ブルーフレア!!!!」
なにこれ、青い炎?
女王が召喚した全ての木々が焼き払われる。
そして、その青い炎は女王を焼こうと意思を持ったように動き回る。
「火・・・ですか。忌々しい!!」
「私は火に負けない!負けないって決めたの!」
突然地面からツタが生え、ミラの体中に巻き付く。
「うっ!」
ツタは枝となり、みるみるうちにミラを取り込んで木になろうとしている。
同時に、青い炎は女王の身体を蝕み、その身を焦がしていった。
「ミラっ!!」
「ロロっ!」
俺の名前を叫ぶと、ミラは自身を発火させた。
ミラを縛る木も一緒に勢いよく燃える。
熱そうとかそういう問題じゃないし。
大火事もいいところ。火傷で済んだら猫もびっくりだね。
だんだんと炎は弱まり、ミラが膝をついてその場に座り込んだ。
なんか見た目は傷がない。
「お・・・おのれ・・・!」
青い炎はすごく苦しそうにうめく女王を、跡形もなく焼き尽くした。
なんでミラは無事なの?
「結界のプロをなめないでほしいわね」
「ミラ・・・すごいじゃん!」
なんとなく褒めてみた。
「えへへ」
へぇ、ミラって素直に笑うこともあるんだねぇ。
にやにや俺がミラを見ていると、
「これくらい当然でしょ!」
なんか怒り始めたし。
よくわかんないねー。
結局妖精族とかもよくわかんなかったし。
あの女王から魔王倒せとか言われてたのにさ、一体なんだったわけ?
あーもう。
いろいろ考えるのがほんとにめんどくさくなってきたわ。
ってことで、次の部屋へ行っちゃおー。
ラストへむけて、いよいよ最後の四天魔ですね!
もちろん戦うのはあの・・・。




