63-もう!ロロのバカ! その5
ミラ視点!!
軍ってどうしてこうも重たい空気なのかしら?
「南の王より勇者の名を授かったシェルヴィ・ファンタスティックだ。筆頭魔術師ミフリス・レインボウはいるか?」
ヘボ勇者はずいぶんファンタスティックな苗字を持ってるのね。
「残念ながら、筆頭は現在魔王討伐のためにアンスピカ山脈に向かっていると報告を受けています」
「討伐?魔法師団は見たところ駐留しているようだが?」
「勇者の補佐として、筆頭が勇者に付いていっているのです」
「勇者というのは・・・三毛猫か?」
「は?いや、私は勇者の詳細までは知らされていないのでなんとも言えませんが・・・人間なのでは?」
「そうか、すまなかったね。親切にどうもありがとう」
紳士モードな勇者は的確に情報を集めてくれた。
つまり、筆頭魔術師であるミフリスって女がロロを拉致って魔王を倒しに行ったってことね。
ロロが素直に言うことを聞くとも思えないし・・・。
「「エサか」」
だからなんでコイツとハモるわけ!?
前振りもなしにハモるとかおかしいでしょ!
「つまり、ロロ君は拉致られた挙句、エサに釣られて魔王退治に行ったと考えるのが妥当だな」
「うぅ、私を置いて魔王退治に行くんじゃ意味ないじゃん・・・」
「そんな顔は似合わないよミラ君」
「うるさい」
「なら、僕たちもアンスピカ山脈へ向かおう」
「今から行って間に合うかなぁ」
「ふっふっふ。僕を見くびらないでくれよ」
安心して。存分に見くびってるから!
「死の樹海を越えよう」
「え?」
「このまま北に進み、樹海を抜けるのさ」
「だって、樹海は危険だって言ってたでしょ?」
「僕がついてるよ」
だから不安だってことを理解してください。
「でも、それしかないのよね・・・」
追いつかないと。
ロロが魔王と戦うって時に私がいないんじゃ大妖精様に顔向けできないし、なによりも・・・。
「私がいないと・・・!」
「そうさ、ミラ君がいてくれたら僕も安心だよ」
いや、違う違う。
あんたはむしろ関係ないから。
「死の樹海を抜けるには、ある道具が必要なのさ」
「道具?」
「そう、たいまつが必要さ」
「・・・冒険の必需品的なもんじゃん」
「樹海の魔物は狂暴だが、火の属性に弱くてね。たいまつがあれば問題なしだよ」
「結構簡単に抜けられそうね」
「・・・だといいね」
なんか意味深な濁し方じゃない?
すっごい嫌な予感してきたし・・・。
こんな時にロロがいてくれたらなぁ。
もう!
ロロのバカ!
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