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46-なにこれ、小さくて大きな戦い その1

 翼のしなる音がする。

 大して時間も経たず、ドラゴンはやってきたらしい。

 ・・・ん?

 飛ぶ音は確かにするのに、姿が見えない。

 あのおっさんと一緒で幻覚とかの魔法が得意なのかな。


「ほぅ、久しぶりにワシが呼ばれたと思って来てみたら、ボロボロの男に小さな妖精、ちんけな三毛猫だけか」


 なにこれ、俺が一番バカにされてる気がするんだけど。

 っていうかどこから声がしてるのかわかんないし。


「まぁよい。早速食事とするか」


 食事?俺たちを食べるのか?

 どんだけでかいドラゴンなんだよ。

 早く姿を現せし。


「ロロ!あれ見て!」


 ミラが指差す方を見ると・・・あれ?

 小さな黄色いドラゴンがこっちを見てふんぞり返ってる。

 ちっちゃ!

 俺よりも少し小さいくらいで、同じ目線だった。

 あくまで大きなドラゴンを想像してて、上ばかり見てたわ。


「ちんけなドラゴン」


 ぼそっと思ったことが口から出た。


「なん・・・だと?」


 怒りましたよねー。怒らせましたよねー。


「猫!お前から食してやろう!」


 黄色いドラゴンは自身の右手を上から下にひっかくように振った。


ズドン!!!!


 一瞬のできごと。

 俺の体がふわっと浮き上がるほどの風圧がきて、後ろの方で音がした。

 恐る恐る後ろを見ると、巨人の一振りのごとく岩に巨大な爪痕がしっかりと残っている。

 なにこれ、死ぬじゃん。


「な、なんで?あんな小さなのからどうやったらあんな大きな斬撃が出るわけ・・・」

「ふふふ、今のは軽い挨拶だ。次は当たると思っていた方が良いぞ」


 あんなの喰らったら瞬殺だ。

 しかも標的が小さいから、戦いにくい。

 思ったけど、俺って自分サイズの敵と戦ったことないじゃん。

 いつも自分よりも大きな敵が相手だったし。


「・・・ミラぁ、助けて」


 ミラを見るも、恐怖に青ざめた顔を見て勝機が薄いことを悟った。

 とりあえず、身体能力を最大限まで高める。

 次に牽制程度に光の矢を放つ。

 それに対してドラゴンはゆっくりと右手を上げ、矢をいとも簡単に打ち消した。

 つ、強すぎ。


「猫!ワシは遊びが嫌いだ。さっさと終わらせよう」


 これは文字通り終わるパターン?

 くそっ!

 集中しろ!

 相手には必ず弱点があるはず。

 とにかく見極めて戦うしかない。

 あの見えない巨大な斬撃も冷静になればかまいたちだってわかる。

 かまいたちなら空気の流れを肌で感じれば避けれるはず。

 本当の戦いはこれからだ!

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