4−なにこれ、魔法?
なんか窓開いてたから外に出ちゃった。
庭広いし。迷子になりそう。
「ミケー?どこー???」
少年が探しに来てる。
それよりもどうにかしてこの首輪を外せないかな。
ん?待てよ?あの商人の親父の言っていたことを思い出す。
「集中・・・・・・?」
自分の額に集中する。
それを開放する瞬間に首輪が外れるイメージをする。
コロンコロン・・・。
なにこれ、マジ簡単に取れたし。
ってか俺魔法使ったっぽい。
やっぱ俺天才じゃん。
「どーーこーーーーー????」
うん、逃げよう。
買ってくれた少年には感謝してるよ。
ただ、自分の名前を覚えきれないってのが致命的だった。
バカでかい塀に上り、俺は屋敷の外に出た。
外で見た景色は、一番最初の町よりも日本に近い気がする。
あ、ご飯食べてからくれば良かったし。
ってかこれからどうしよう。
ん?良い匂いする。ちょっと行ってみよう。
とある建物に入る。そこはずいぶん活気があって、ずいぶんたくましい人達が大勢いた。
「なんだぁコイツ。迷い猫か?」
ハゲのおっさんが俺を睨む。
こえー。ってか筋肉どんだけついてんのこのマッチョ。
あ、なんかあっちで女の人が飯食ってるじゃん。
そそくさとせがみに行く。
「ぉ、三毛猫だ。なになに?」
ご飯をください。
「あぁ、そう?そんなに私って美人?よく言われ・・・」
「ちげーし」
思わずツッコミを入れてしまった。
「うぉっ、喋るの君?」
もうどうしようもないからコクンと頷く。
「ふーん、高く売れそうね?」
みんな同じ発想にたどりつくんですね。
「ご飯ください」
「いいよ」
「売らないでください」
「・・・・・・いいよ」
間があるんですよねー。
とりあえず俺はなんかパンみたいなものをもらった。
なにこれ、意外とうまいし。
「そだっ!私と組まない?」
「いやだ」
「ストレートだねぇ。ちょっとへこむよ」
と言いつつも笑っている。
「じゃあさ、とりあえず私の仕事を見てみてよ。君には何かただならぬものを感じるんだよね」
なにコイツ。また勇者とか言ってきそうな流れ。
「まあまあ、とりあえずついておいでって」
退屈凌ぎになるかな?




