31−なにこれ、賞品泥棒
着地と同時に羽が消えた。
髭も元に戻った。
ものすごく息の切れたミラと、ものすごく汗の光る勇者がそこにはいた。
後者はすごくきもい。
「勝った」
一言告げる。
「ふざけるなぁ!!!!」
鼓膜を破るような声。
墜落したゲートは四つん這いの状態で、俺を睨みつけてくる。
殺気だけはとんでもない。空気がびりびりして、気持ち悪い。
「お前たちは・・・必ず後悔することに・・・なるだろう・・・」
「・・・・・・・・・」
「い・・・つか・・・ふくしゅ・・・」
「にゃ」
言い終わる前にとどめを刺した。
脳天に一撃。
だってうっさいんだもん。
「結局闘技大会の勝者って誰なの?」
ミラの疑問に、俺は即答した。
「そりゃもちろん俺っしょ」
「いや、僕かもしれない」
お前負けたくせに何寝ぼけたことを言ってやがる。
「意外と大穴で私かも」
参加もしとらんだろ。
とにかく静まり返った闘技場。
人は逃げても賞品は逃げなかったらしい。
「うん、もらっていこ?」
その一言を皮切りに、俺達は欲しい賞品を手に会場を後にした。
「結局ゲートって何者だったんだろ?」
「しらねー」
「恐らく、魔王の手先だろう」
そりゃそうでしょ。
そこが疑問なんじゃなくて、何が目的だったのかってことを聞いてるんでしょ。
「どうでもいいよ。次どこ行く?」
「南に行こう」
あれ?
さっきからだいぶおかしいことがある。
なんか、勇者がついてきてる。
なにこれ、ストーカー?
ってかお前に指図されんのっておかしくね?
「南っていいかも!」
あぁ、ミラがのっちゃった。
もうこれは決まっちゃったよ。
そりゃね、暖かいところの方がいいし、魔王との距離も離れるしね。
ちなみに賞品の分配だけど、俺は猫缶を頂きました。
ミラは赤い魔石。
勇者は一位の旅行券。
なんで勇者が一位の賞品もらってきてるんだし。
ちゃっかりしすぎっしょ。
「よし、僕についておいで」
もうコイツしらねー。
作者が諸事情により、家にいなかったため更新が大幅に遅くなってしまいました。
内容もぐだぐだでごめんなさい。
ゲートの真意とか色々謎を残してますけど、あんまり考えてないです。
・・・嘘です。たぶん。
がんばりますwww




