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28−なにこれ、闇病み止み その2

「こんにちは」


 喋ってるのに自分の耳に届かない。

 ひんやりしてる気がするけど、そうでもないかもしれない。

 なにこれ、なんにもわかんねぇ。

 もうどうでもよくなってくるよ。


「ようこそ闇の世界へ」


 頭に直接響く声。


「ワタシの世界。ワタシの場所。どう?」


 どう?っじゃねぇし。

 全然居心地悪いし、そもそもなんにもわからないから。


「君はそのままワタシの世界で永遠に生き続けるの」


 断る。

 なら死ぬし。

 なんとなくわかってきた。

 直接頭に響く声と同じことをやってみればいいだけのことだ。


「もう飽きたから出るよ?」


 感覚的に、自分の頭に響かせるだけじゃなく、声の相手の心を想像する。


「な、なにを?」


 あぁ、どうやら声が届いたみたい。


「だから、もう飽きた」


 五感はないけど、思考はできる。

 光の魔法なんて使ったことも見たこともないけど、なんとなく想像してみる。


「にゃ!」


 物理的な声じゃないけど、呪文発動には十分な合図。

 目の前に光が現われ、闇が溶けるようになくなっていく。


「なんだと!?」


 真っ白な視界が一瞬よぎり、そして会場の風景が戻ってきた。


「くっ」


 いやぁ、天才ですいませんねぇ。

 もうコイツには手加減しない。

 魔力を貯め、集中して、相手を凝視する。


「闇円舞」


 無数の漆黒の剣が俺にむかって飛んできた。


「にゃ!」


 同時に魔法を使う。

 無数の光の剣が漆黒の剣にむかって飛んでいく。

 場内騒然。

 猫が魔法を使ってるなんて誰が信じられるだろう。

 全ての漆黒の剣を打ち落とし、さらに光の剣はゲートにむかって飛んでいく。


「ちっ」


 舌打ちをしながら、片手を突き出す。

 光の剣はあっさりと打ち消されてしまった。

 ゲート本人が光に弱いというわけじゃないらしい。

 結構頑張って作った魔法だったのに・・・。


「遊びは終わりにする」


 精神異常者だってことはわかってたけど、この展開は予想してなかった。

 服が裂けた。

 巨大化した。

 ってか人じゃなくなった。

 目の前には、巨人くらい大きな黒いドラゴンが姿を現わした。

 終わった。

 こりゃ無理だ。

 会場は大騒ぎ。逃げ惑う人々。


「な、なんなんだこれはぁぁ???!!!!!」


 実況も意味不明。

 もう大会とかそんなの関係なくなってる。


「ロロ!」


 ミラが飛んできた。


「手伝おうか?」

「・・・え?やるの?!」


 逃げる気満々だった俺にミラはやる気満々。


「僕も手伝うよ」

「お前はいいや」


 勇者の親切を踏みにじって、俺はドラゴンと対峙した。

忙しくて書けない日々が続いております。

ネタがなくて書けないわけじゃないです。

ほ、本当ですよ?

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