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17−なにこれ、いーい?よくない

「いーい、ロロ?東の街に行くわよ」


 いきなりめっちゃ仕切られてるんだけど。


「東の闘神の都ロデリアス。名の通り武術の盛んな街で、なんとね、もうすぐなんでもありの武術大会があるのよ」


 すっごいおしゃべりなんだけど。


「妖精の森からならそれほど遠くないから、ゆっくり行きましょう」


 しかも頭上で、耳の側で話されるからうるさくてたまらん。


「それからね・・・」

「ちょっといい?」

「ん?なによ?」

「なんでミラはそんなに喋れるの?っていうかそういうキャラなの?」

「いーい、ロロ?あたしはあなたを本物の勇者と認めたわけじゃないのよ」

「俺も本物の勇者だなんて思ったことないけど」

「大妖精様がついていけって言うからついてきてるだけなの」

「別についてこなくてもいいよ」

「あら、そういうこと言うんだ?大妖精様からご褒美もらえなくなっちゃうよ?」


 なんだろう。足元見られてる気がするよ。

 っていうかそもそも魔王は倒すつもりないからね。


「まぁ、森の巨人バビリーを倒してくれたことには感謝してるのよ」

「何回死ぬと思ったことか・・・ほんとに」

「バビリーはいつの間にか妖精の南の森に住み着いたの。南の森には木の実や薬草がたくさんあるところで、あたしたちにとっては重要な森だったの。そしたらバカでかいのが現れて、一気に我が物顔。バビリーの防御力は妖精にとって脅威だったわ」


 あー、またはじまったよ。


「妖精は支援補助魔法は得意だけど、攻撃魔法は苦手なのよねぇ」


 耳元でうるさいよー。


「結界とか、封印とか・・・いーい、ロロ?ちゃんと聞いてる?」

「キイテマス」


 そんなこんなで俺の頭に乗っているミラは楽しそうだった。


 ロデリアスには三日歩いて到着した。

 今回はゆっくりとマイペースに歩いたから、楽ちんだった。


「うぉ、すっごい建物がある!」


 ものすっごい大きい。

 歪な形をしたドーム。

 なにこれ、どら焼きみたい。


「これが闘技場よ。まぁロロには関係のない場所だけどね」

「だね」


 そもそも戦いとか好きじゃないからね。

 超平和主義なんで。

 闘技場の入り口の方がやけに騒がしい。


「あれ、なんか人だかりがあるわよ?見に行こうよ」

「えー・・・っててててて!」


 めっちゃ頭の毛ひっぱられてるんですけど。

 そもそも人間のことをそこまで好きじゃないのに、なんであえて人がいっぱいいるところに行かなきゃいけないの・・・。

 なんでかミラに逆らえない俺は、しぶしぶ人だかりの方へと歩いていった。

 あー、めんどい。

ミラの性格を少し出してみたお話です。

図々しくておしゃべりだけど憎めないキャラを目指したいと思いますw

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