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15−なにこれ、でかすぎ その3

「つめたっ!」


 本気で逃げようと諦めかけた次の瞬間、雨が降り出した。

 まるで俺の心を映すような・・・。

 巨人を見る。

 ん?様子が変?


「うぅ・・・」


 雨を嫌がってる。

 水がダメなのかな?

 いや、俺も濡れるのすっごい嫌だけどね。


「力が抜ける・・・」


 なんで?濡れただけで力が出なくなるの?

 これはチャンス!

 でも、あの防御の固い巨人になんのダメージを与えられるんだろう。

 考える。考え尽くす。


「とりあえず牽制するしかないかぁ」


 水の魔法をイメージする。雨の中というのもあって、イメージしやすく、具現化しやすかった。


「にゃ!」


 水を圧縮させた水弾をぶつける。


「うごっ!」


 効いてる。けどいま一つ。

 あ、目が合った。

 完全に今目があったよこれ。


「猫?猫に攻撃されていたというのか?」


 フハハハハと笑い出した。

 あれあれ、馬鹿にされてるねぇ。

 所詮愛玩動物だって思われたよねぇ。

 絶対に許せないよねぇ。


「にゃ!」


 逃げるという選択肢を完全に消す。

 巨人は立ち上がり、俺の放った水弾を片手を振ってかき消した。


「なにこれ、やっぱり死亡フラグ?」


 えっと、なんて言えば許してもらえるかな。

 なんて考えていると、こん棒が落ちてくる。


 ドオォォォン!!!


 地面がえぐれる。

 紙一重でかわしたけど、あれくらったら紙になるわ。


「ごめんなさい」

「ダメ」


 ですよねー。

 雨で体が重くなる。

 きっと巨人もそう思ってるだろうな。

 水を圧縮した水弾ではダメだった。

 じゃあ何なら体を通るだろう。

 こう、スクリューみたいで一点集中で・・・。

 あ、ウォーターカッターっぽい感じで・・・。

 よくわかんなけど、とりあえずイメージが固まった。

 とにかく集中する。

 魔力を溜めないとダメだ。


「でぁ!」


 こん棒が振り回される。

 なにこれ、もう森じゃねぇし。

 俺と巨人の周りにはもう木がないし。

 すっごいこん棒を自由に使えてる。

 巨人の足元を走る。

 馬鹿そうだから自分を攻撃しないかと思って、巨人を登ってみる。

 腕とかめっちゃ振り回してるけど、俺には当たらない。

 鼻をかじってもひっかいても、蚊に刺された程度らしい。

 だいぶ魔力が溜まってきた。

 俺はいったん巨人から離れ、体勢を整え直す。

 もうやるしかない!


「ちょこまかとっ!」

「にゃ!」


 水が超高密度に凝縮して一本の筋を成す。

 ピストルの弾丸のようなスクリュー回転。

 それが龍のごとく巨人の胸へと飛んでいく。

 同時に巨人も土の魔法を使ったようだ。

 あ、すんごいのが来てる。

 地面が俺にむかって一直線に盛り上がっていく。

 たぶんコレくらったら死ぬわ。


「ふん!」


 巨人はこん棒でガード。

 でもこん棒なんて軽く貫く。でかいこん棒に小さな穴が開く。

 大きな魔法の反動で俺は動けない。あとはどっちの攻撃が早く当たるかどうか。

 すごい勢いで地面が俺を襲おうとしている。

 本当に微妙なタイミング。

 目の前まで来た。

 もう避けることを完全に諦め、俺は眼を閉じた。


 ドスン!!


 そして・・・巨人はこん棒を落とした。


「あ・・・」


 巨人の胸に小さな穴が貫通していた。


「俺の・・・勝ち?」


 ズシィィン!!!!!


 倒れる音もまた豪快だった。

 なにこれ、壁じゃん。

 地面の盛り上がりは、俺の鼻先2cmのところで止まっていた。

 なんだか鼻がプレッシャーでむずがゆくなる。

 運も実力のうち・・・だよね?

 なんか俺強くなってる気がするわ。

巨人戦に決着です。

だんだん戦闘にも熱をこめてるつもりなんですけど・・・。

運の要素が大きすぎますね。

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