13−なにこれ、でかすぎ その1
メリルがなんで心配してたのかすっごいわかった。
「魔物だらけ・・・」
さっきから次から次へと魔物が俺の匂いを嗅ぎつけて、襲ってくる。
そのたびに逃げる。
だって怖いし、俺平和主義だし。
あ、そうだ、匂いとか気配とか消せないかなぁ。
「集中っと」
補助魔法をかける。
たぶんこれでしばらく見つからないと思う。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
地響きと共にすごい音が俺の耳を襲う。
「な、なに?もしかして・・・・・・」
もしかした。
噂の森の巨人バビリーの登場。
「ちょっと待って。巨人って2メートルくらいだと思ってたし」
ここの木々は背が高い。普通の森に比べたら、三倍くらいの高さを誇っているだろう。
普段木登りをする俺でも登ろうと思わないくらい高いもん。
巨人はその木々の半分くらいの大きさはある。
2メートルじゃなくて20メートルの間違い。
そりゃ歩けば地鳴りがするわ。
幸いにも俺には気付いていないようで、他の魔物を狩っているみたい。
なんか鹿っぽいのを手掴みでむしゃむしゃ食ってるし。
ってかあのこん棒なんだし。でかすぎでしょ。
「ねみぃ〜」
巨人の声。でかすぎ。
そんなん呟かなくていいから勝手に寝ろよ。
っていうかどうやってコレ倒すの?
核弾頭とか必要じゃない?
そもそも俺のこと見えるかな。
「ぐごー!ぐごー!」
寝てるのにうっさい。
寝てる時くらい静かにしろし。
ん?今チャンスなんじゃね?
特大の魔法をぶつけたら勝てちゃったり?
よし!
たまには思い切ってやってみよう!
自分の中で最大級の魔法を考える。
意識をいつもよりも集中させ、時間をかける。
「にゃああ!!!」
普段よりも気合いを込めた一撃。
寝てる巨人を中心に四本の火柱が立ち、そこからドーム型に火が巨人を覆っていく。
「うぉ、あちぃ!」
巨人が目を覚ます。
そりゃ熱いでしょ。あんた火の中にいるんだから。
ぶうぅぅん!!!!!
内側からこん棒を一振り。
火のドームはいとも簡単に消されていた。
「だれだぁ!!!!」
なにこれ、全然効かなかったし。
あ、これは死ぬパターンのやつだわ。
とりあえず巨人バビリー戦一話目です。
猫対巨人。
はっきり言って無謀ですね。
ちなみに話の中での炎の魔法は上級魔法です。なかなか高度でかっこいい魔法なのです。それでも火傷だけって・・・。




