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interludeA1 まだここから動けない MELANCHOLY OF MEDIATOR
ひょっとしたら、私はどこかで大きなミスを犯してしまったのかもしれない。
しかし、進み続け日々変化する環境下では、どの時点が分水嶺なのかは判別が困難だ。
自身の性質上、今回のケースのように己のみで想起し、対策を練って、実行に移すという一連の作業は正直不得手としか言い様がない。
しかし、弱音を吐いてばかりはいられない。
私は来る時を待つ責任がある。
逆に言うと正しいタイミング以外での不用意な行動は即ち致命傷になるということだ。
適切な時期に最適解を。
それが私にできるたった一つ。
もし動く必要がなかったとしたら、それがその時点において求められた役割だったと言うことに過ぎない。
君が何を選んでも、君が何を選ばなくても。
私は君のそばにいよう。
最期のその瞬間まで。