表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
domain Nova ーcrank in/crank upー  作者: つぐみ
domain Nova route TB パーチェム・イン・テリス
103/205

chapter2_9TB ただ、そうであるだけで sideS

数日経っても待機の時間が続いた。

クズハは準備に追われているようだ。

忙しい間をぬって、私の話を聞いてくれたのは感謝しかない。

生きているだけで罪だなんて、そんなことは無い。

クズハと話すことが出来て、その思いに自信を持つことが出来た。

「だけど.......」

これからも、ただそうであるというだけで、人ならざる者であるというだけで自分の大切な人たちが傷つけられるのは耐えられない。

「私は何が出来るのかな」

一個悩みが解決したら、また悩みが浮かんでくる。

「ううー、無力だー」

自室の机に突っ伏す。

『クズハも言っていたけど、悩んでもどうしようもないことなら別のことを考えたらどうだい?』

「でも.......」

『それに君にはやれること、ううんやらなければならないことがたくさんある』

「ほんと!?」

がばっと上体を起こした。

「何々!何があるの?教えてよ」

『今はまだその時じゃないね』

「ケチ!いけず!秘密主義!」

『後ろのやつは罵倒なのか.......?』

「何で教えてくれないのよ~」

『君は実感が湧かないかもしれないけど言葉というのは、とても重いんだよ』

「シェムーに関しては言葉を使ってないじゃん」

『あくま私は特殊な例だ。というか音を介してコミュニケーションをしてないだけで言葉自体は使っている』

「そうか」

納得した。

『言葉で誰かに伝えるという行為はとても恐ろしいことなんだ』

『言葉に限らないけど、他者に影響を与えるというの点でとても注意して扱わなければならないんだ』

『人間によっては、自分は他人に影響なんて与えないちっぽけな存在だと思う個体もいるみたいだけど大間違いだ』

『刃物で人を殺せるように、言葉で、動作で、他者は容易に傷付けられるし、殺せる』

『だから十分に自分の言動には気をつけるんだよ』

「.......分かった」

「分かったんだけど、なんか丸め込まれた様な気がする」

『そう?』

『まあこの話は今度にしよう』

『来客が来たみたいだ』

「え?」

コンコン

「はいどうぞー」

訊ねてきたのはナギだった。

「ナギ?」

「クズハから、みんなを集めるようにいいつけられました」

クズハの準備が整ったようだ。

「いよいよ、始まるそうです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ